詩人:『孤人』 | [投票][編集] |
ある月の砕けた日に
散歩していた ぼくは
光る石みたいなものを
拾った
この石は
きっとつきのかけらだ
と ぼくはおもいました
ぼくはその石を
たからものにしました
そして ぼくはその石を
夜な夜なみては
楽しんでいました
そんな ぼくも年をとり
その石の事など
すっかり忘れてしまいました
でも その石はいつまでも机のなかでかがやいています
月は今日もみえない
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もし生まれたら
いい名前をつけて貰おう
そして 両親にたっぷり
愛情をそそいで貰いたいな
幼稚園に入ったら お母さんから離れたくないと
ただをこねるかもしれないよ
小学校に入ったら
友達出来るか不安だな
あぁ 楽しみだ
生まれてくるのが楽しみだ
でも
その胎児は絵でしかない
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時計を燃やせ
鏡を燃やせ
車はもちろんだ
本も燃やせ
椅子も燃やせ
布団はよく燃やさねば
写真も 服も 家も 絵も
文学も燃やしてしまえ
道路など 不要だ
映画もだ あれは良くない
道徳を燃やせ
地図を燃やせ
雲を燃やせ
燃やせるものは全て燃やせ
燃やせぬものも全て燃やせ
これが 怒りだ
そして 一人で星をみたい
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夢をみた
とてもうれしくて
とても哀しい
夢をみた
胃の中の汚濁を残らず吐き出した
解放感があった
バケツの底に穴が空いたような
喪失感があった
何を吐き出したのか思い出せない
僕は体がすごく軽くなったのに
それでいてすごく寂しい
あの娘は誰だったろ
すごくよく知ってるのに
今も思い出せない