詩人:♪羽音♪ | [投票][得票][編集] |
女の子に抱きかかえられたお人形
2人はいつも一緒
幸せそうな笑顔
来る日も来る日も
毎日女の子は
お人形と楽しく遊んでいた そんな彼女を
幸せそうに眺めていた
ちゃんと知っているよ私は玩具 でも大事にしてくれる君が好き
だから私も君が大事
ずっと君を
見守っていたいよ
女の子に抱きかかえられたお人形
今では忘れ去られた存在 お人形の瞳には
悲しみが映っていた
来る日も来る日も
毎日女の子は
新しい玩具を探し続けた そんな彼女を
ただただ眺めていた
本当は知っていたよ
私は玩具 飽きたら君はもう 新しいモノへ 壊れた玩具に興味は
ないってこと
おめでとう 君は
大人になったんだね
その日から
お人形の時は止まった
その瞳に光はなく
来る日も来る日も
ただただ色のない空を窓から見ていた
その表情に色は無く
来る日も来る日も
ずっとモノクロの景色を 窓から見ていた
ある日 お人形に
感情が芽生えた
「…………。」
ある時 瞳に
光が差した
色を失っていた空には秋風が吹き
モノクロの景色は
いつしか煌びやかな光と白い雪 そして沢山の幸せが溢れていた
「…………。」
そしてお人形に
意志が宿った
「ここから出たいな。愛されたいな。」
止まっていた時が
動き出す
「ごめんね、さようなら。」
その日 お人形は死んだ
そして人間になった