詩人:#聖 | [投票][編集] |
手の鳴るほうへ
もうさよならなんだね
月日は早いもので
やっと前を見れるなんて思ったら
もうその声は
聴けなくなってしまう
月が照らすのは
誰の孤独や淋しさだけではない
そう 教えられて
やっと 今日まで
その眼に映らなくなっても
その耳に届かなくなっても
どうか忘れないで
桜色に刹那色
ここに有った足音
ここにいたあなた
もうさよならなんだね
どうぞ手の鳴るほうへ
その心から消えそうになっても
その手がここへ
どうかここへ
桜色にあなた色
ここに有る声
ここにいる私
どうぞ手の鳴るほうへ
いつだって呼んでるから
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夏の日に朧気
涙滲んだ今日に
思い出した昨日
作り笑顔の先を見抜けずに
聴こえた 囁く蝉の声
蝉が鳴く
何が真実なのか
わからずに迷う
誰かから見たら鮮明で
誰かから見たら曖昧で
夏の日に朧気
涙で滲んだ今日に
描き出した明日
作り笑顔だけは上手くなった
聴こえた 囁く蝉の声
蝉が鳴く
何を信じるのか
わからずに迷う
誰かから見たら滑稽で
誰かから見たら必死で
痛みに喘ぐ声すら
飲み込まれて 蜉蝣に 溶けた
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醜い
醜いだろう
この心の赤い赤い汚れ
せめて器用に笑ってくれよ
私みたいに
そんな嘲りとは裏腹に
その眼は悲しみを称えた
言葉を失いかけて
そのくせ叫んでいる
あなたの所為だと
笑いがこみあげる
その思い込めば幸せなら
迷わずどうぞ
反対側の道で
私はなんともない
そう なんともないから
知らない
知らないままで
この脳の赤い汚い汚れ
せめて器用につくろう
私だけは
そんな誓いとは裏腹に
この眼は悲しみを
言葉を失って
それでも反らせないのは
あなたの所為だと
笑いがこみあげた
そう言い聞かせ堪えたから
迷わずこうするさ
反対側の道で
私はなんともない
そう なんともないから
何度も言ってるのに
いつかまたって 声は止まないけど
振り向きはしない
私は寂しくはない
もう寂しくはないから
私はひとりだから
今は ただひとりだから
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言い訳はどうぞお好みで
かまって 憐れんで 優しくして
そればかり 愚かな君
自分だけなんて傲慢で
それに気づかない 馬鹿な君
孤独は嫌だから
繰り返す僕なのですね
言い訳しか言えない君と違って
僕ならもっとましなこと言える
どうぞ やって
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毎晩
眼を閉じるとあなたが出てきます
相も変わらず
無表情 呼吸すら狂っていません
ただ戸惑っていく
銃口をつきつけられます
金色が輝いて
金色の猫の眼は
求めたあの人の眼ではないけれど
怖くて 怖くて 嬉しくて
もう終わりたいと
冷たいそれに祈るように眼を閉じた
でも
あれは夢でした そう夢です
それでも変わらず
無表情 逃げることすらできません
ただ恐れていても
銃口が待っています
金色が輝いて
金色の猫の眼は
求めたあの人の眼ではないから
冷たくて 冷たくて 告げたくて
もう終わりたいと
こんな夢に耳を塞いだ
金色の猫の眼は
求めたあの人の眼でないけれど
寂しくて 寂しくて あの人で
だけど夢で
意識が薄れていく
そんな眼で見るくらいなら
せめて綺麗に終わらせて
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他所など気にしないで
どうせ誰も気にしちゃいない
雑踏避けて
今日もまたここで待ち合わせ
未練なく背を向けられて
少しだけ苦しくなるけど
そんな勘違いは僕だけで
寂しい時はおいで
あの人の代わりに優しく
そっと寄り添おう
それでも
それ以上もそれ以下もない
そんな風でいたい
他所だけ見ていて
絶対目を合わせない
駆け引き通り越して
今日もまたここで待ち合わせ
そっけないこと言われて
少しだけ悲しむけど
そんな勘違いは僕だけで
寂しい時はおいで
あの人の代わりにずっと
そっと傍にいよう
それでも
それ以上もそれ以下もない
そんな風で
だからそんな顔はやめて
求めたら突き放すくせに
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男が笑えば
女は落ちると君は言う
濡れた月が
嘲笑うかのように見下す
言葉はいらない
笑えばいい
永遠みたいな
甘さに溶けれたなら
どれほど幸せになれただろう
蜜月の夜はまだ長い
女が魅せれば
男は落ちると君は言う
溢れる蜜が
居心地の悪い夜を導く
嘘塗れなんていらないから
笑えばいい
永遠なんて
そんな幼さに従えたなら
どれほど幸せだっただろう
蜜月の夜はまだ長い
お幸せに
嘘ではないけれど
真でも無く
今は広がる闇しか見えない
…どうか笑って
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今日もまた黒い煙を撒き散らし
聞いて聞かぬふりして詭弁が溢れていく
偉い言葉で埋められた疑問
理性なんて感じられない
今日もまた雑踏に飲み込まれ
何かがすり減る日常
ここまで来たら
覆う灰色に手を翳そうぜ
今日もまた感じない痛みに背き
悲劇気取りの表情を気取る
身勝手な言葉で埋められた疑問
理性なんてあるはずがない
今日もまた罵声が渦巻いて
涙が増えていくことが日常になっていく
ここまで来たら
迫る現実を仰いでみようぜ
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静かな水面が映す 揺れる
襲い来る孤独にただ怯え
輝く星々の欠片に
ただ戸惑う
消え果てそうな
その涙
紡がない 紡げない
儚い言の葉は桜の下へ
たくさんの悲しみとささやかな称え
せめて美しくあなたへ
忘れられない記憶が囁く
それでもあなたは遠いまま
消え果てそうな
その吐息
消えない 消せない
香る言の葉は水面の上へ
ちらつく悲しみと包む慈しみ
せめて落ちることなくあなたへ
秘密のような刹那に
ただ独つ消え果てる前にあなたへ
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規則正しい寝息が誰かに抱かれ
いつか忘れ去られる日が来る
髪を揺らす夜風は虚しく
雨を交えながら 時折頬を撫でる
上手くなった笑い方
過ごした日々に見返りを求めて
いつかは
いつかは想えなくなる日が訪れる
永遠だと誓っていた手を
そっと放してさまよう
抱いた淋しさは
せめて雨の中へ
ただ冷たい
ただ冷たい雨の中へ
誰かに似ていた声に背いて
まだ残る淋しさはそっと凍え 囁く
まだ
まだ頬伝った一筋は温かい
止まない雫は思い出させるかのように