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#聖の部屋


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詩人:#聖 [投票][得票][編集]

規則正しい寝息が誰かに抱かれ
いつか忘れ去られる日が来る
髪を揺らす夜風は虚しく
雨を交えながら 時折頬を撫でる

上手くなった笑い方
過ごした日々に見返りを求めて
いつかは
いつかは想えなくなる日が訪れる

永遠だと誓っていた手を
そっと放してさまよう
抱いた淋しさは
せめて雨の中へ
ただ冷たい
ただ冷たい雨の中へ

誰かに似ていた声に背いて
まだ残る淋しさはそっと凍え 囁く

まだ
まだ頬伝った一筋は温かい

止まない雫は思い出させるかのように

2010/03/21 (Sun)

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