またひとつまたひとつと忘れていくのさまわるまわされる日々の中であなたも 私もふと眼をやった水面にあの日が映りそうだったけれどひとつ落ちてきたそれに揺々と広がったもう独りなんだね誰もいないんだねあなたはいないんだね探しても 探しても幻のあなたしか見えなくて今のあなたに縋りつく今の私ふと手をやった水面をずっと見つめていたけれど頬に流れおちたそれに滔々と揺れたひとつひとつ落ちていくその全てがあなた
[前頁] [#聖の部屋] [次頁]