詩人:あういあ | [投票][編集] |
答えを曖昧に確認して確認できなくなる時を待つ
君が離れたのか、俺が飛び降りたのか。
ビルの影に途切れてしまった自分の影みたく
時間が過ぎた今、もう君との距離を計ることは出来ない
日は移ろうし、立ち位置は変わりあなたであった側面はあなたでありあなたでない側面となるから。
手を繋ぐ温度は繋いだ手の温度よりずっと熱く滾る。
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今、正に君の瞳を見た
虚実さ。ただ現実の中の。
移ろいでいる君の、雨の右目の瞳を。
濡れているその睫毛を
見ている。虚実ながら、現実の中で。
この場所で距離はあるけれど
寸分狂いなくその濡れた瞳を見ている。
ただの虚実でも。
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冠せず
だって手には溢れ落ちたものだけで恵まれてるんだって言われた。
そう、君も。瞳の闇で映らない明日を
わかってるなら知ってるけど私は僕のように笑う
君の最期が見えない。
僕の目は陰って仕舞って笑わない僕はあなた方のように瞳の闇を冠して飛び降りる
不意に。暗やみで反転して往く。不意に。
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まただ
馬鹿を見るように
化かされてる
だまくらかされ生きるために生かされそれを商売として金は生まれ回る
化かされてる。無理やり生きることをすすめられ悪いことをしないように矯正され
疑わないことを歓喜して次々と条件を加える
小難しく整えペテンにかけ生き長らえさせる
悪いことをしないように矯正され
両手を広げればいっぱいのベッドの上で生きていろと宣告する
神だ
私以外は神だ。
宗教は私を救う
占いは私を救う
真実は私を救う
私以外は神だ
だから歿ね
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黄色い視界
最初から変わらない
最初なんてないのにおかしいね
俺には途中からしかないのに
最初とか最後とかそんなのあるわけないのに
途中にある最初と最後を勘違いしてるだけだ
もうずっと繰り返ししんでいるそれだけだ
涅槃?ない
輪廻?ない
歿?ない
なら繰り返しもないだろ
あるから在る。ふざけてる宗教はふざけてる
占いはふざけてる
私を救いはしない
紙切れのために生き長らえさせる
悪いことをしないように言い包め
ふざけてる
何が。俺が。
誰以外がふざけてるというのだろう選び様もない
ふざけてる、
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もうどこにも居れないのと
みずからで居場所をつくってく
そのつよさには敵わない
くうかんは腐るほどあるのに勝手に権利を主張する奴等ばかり
やはりどこでも往けやしない
自由はしんだとは自殺者の弁か
この空虚さこのママに、あたし迄死んで仕舞う。
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欺瞞や嘘を覚えることで大人になれると聞いてまた一つズル賢くなっても
それを決してすることがない何時までも少年の君は
誰かの尺度に惑わされることなく自らの道を進んで
いつか下らない大人たちを笑いながら自殺する。
記憶と繋らない知識では君は汚れた空気を吸い続けられない
嘘吐きは敵を避けることができて、自分を騙せる人間は前へ進める。
研ぎ澄ました鉄に体の熱は奪われる
経験して、嘘を、自己欺瞞を、歩いて蹴躓く事を。立ち上がる事を。
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あなたが永く使っていた
色落ちたあの椅子は
テラスに独り佇んで
今白んだ月に照らされて居る
丸いテーブルに広がった
きれいなクロスには
温かいキリマンジャロが香り
月夜の楽しみへと誘う
わたしは此の椅子と共に
あなたの帰りを待って
一人コーヒーを飲む。
玄関のベルは鳴らない
闇が薄らぐ頃わたしは
静かな眠りに就き
冷めたキリマンジャロを残し
晴れぬ心の闇をさまよう
わたしはあの椅子と共に
あなたの帰りを待って
一人コーヒーを淹れる。
「タダイマ」の声は聞こえない
空が赤くなる頃
私はまたあの椅子に座り
白いクロスを広げ
あなたの帰りを待つ
あなたの好きな
キリマンジャロを淹れて
月は今日も陰らない
雨は今日も降らない
あなたはいまだ......
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こんなに苦しいの
こんなに我慢して
こんなにボロボロ
こんなに耐えたの
初めてさこんなに
それだけ言っても
それだけ無駄なら
それだけ繰り返す
それだけが抵抗で
出来るはそれだけ
ねぇ、引きずり出して掻き廻してよ。
ウズウズムズムズ此の頭ん中が疼くんだ、むず痒く。
痺れて凍えて耐えてまだ終わらない。
終わらせられる筈なのに