詩人:カスラ | [投票][編集] |
精液のように青ジロイ男がぬっと現れては通り、
あそこのように桃グロい女が通る。
自らの意志で小さな砂漠となったものたちが行き交う。
その上を風が吹いている。
砂漠の住人には金は用がない。金がある人とは肉汁のある人だ。
旅の好きな女は堕胎が好きだ。良いことがココにではなく、いつもココ以外のどこかにあるだろう、これでは侵略民族の成れの果てだ。それは薄暗がりに自らを無限に堕胎することに、同じだ。
格闘技が好きな人は、傲慢な人だ。砂漠には観戦者は用が無い。だが自身も骨折するまで格闘技をやれば、透明になれる。砂漠になれる。
しかしある時、うかつにもオマエは自身の歴史をごちゃごちゃと紡ぎ、隔絶したYOUとなった。自分の中に臭い肉汁を溜め込んだ。
傷つけられつつも分かっているふりをしてあげた。
生まれ、育ち、自らに枷せられた偶然でしかないことに目を向けた途端、オマエの顔はますます醜くなる。
砂漠の住人はオマエの美しさをよく知っている。
今、オマエとワタシはここに空っぽ。涸れきった綺麗なガイコツ同士として出会わなければならなかった。
長い長い、演ったことのない人とのギターギグ。
ディストォーションの音が、空間を裂く。
若い砂漠たちの上を風が吹いている。
今日もまた。
…§…