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みなみんの部屋


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詩人:みなみん [投票][編集]


1日1日が1ページになって
1冊の本ができあがる
長い長いお話なのに
不思議と薄っすらとしている本である
その本は執筆を終えられても、なお
題名がつくことはない

著者はそのまま所有者となり
できあがった本を読み聞かせる
目の前には誰かが立っており
静かに耳を傾けている

所有者は音読の途中から次第に声が震えだす
しかし理由を見つける術はない
著者は自分自身であったのに
どこか遠い国の話のように読み上げる

聴いている側は
なにも言わず立っているだけであるが
最期まで読み上げたあとに
その本を手放すかどうかだけを問う

どれだけ時間をかけて悩んでも良いという
その間だけ、この世界に居ることが許されるという



















2019/11/27 (Wed)

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