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地獄椅子の部屋  〜 新着順表示 〜


[14] 叙事的な黒の構図
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ポエムに溢れた実験的プロット。
そこに散見できるカテゴライズレスの冒険精神。
精巧な緻密さと荒削りな未完成さの絶妙なるケミストリー。
旺盛な制作意欲の泉を枯らすことなく。

天国が二つに割れて、俗人と聖人に分裂した自我。
フラストレーションの地雷源の犠牲になりながら、微視的なパラダイムを華麗に展開。
アイスバーンの上を滑走する霊柩車には、廃人が収容され、かつて性交に及んだマグロの女を思い出している。
こんな時、空は非情である。
大層な思想を研鑚し、普遍の定理へと達したかに思われたのだが、安穏とした空は、人々のわだつみを高見の見物しているようで、腹立たしくなった。

かの貧困の地では、哲学よりも行動が重要とされる。
豊かさの中の後ろめたさ、罪悪感。先人の築いた礎の上であぐらをかく怠け者。
私に埋没した挙げ句、公が蔑ろ。
あの自由の女神すら、虚像の象徴。

理由もなく存在を覆い尽くす虚無感が、意味を探すならば、生命それ自体があやふやで曖昧模糊とした地盤の上に揺れる、一本のリラの樹ではないか。

その土壌は黒ずんで、豊潤さを養育するのに適さない。
悪魔の囁きが自暴自棄な感情を植え付ける。“今が楽しければそれでいい”と享楽的な誘惑は欲望を増幅させる短絡的な視点でしかなく、実る果実はない。

巨大な歯車が遺伝子に組み込まれ、無意識に操作されてゆく。
その輪廻は定めか、はたまた変更可能な予定なのか。誰が知る。
E=mc2ですら、解明できない謎が、今日的な問題にのしかかる。
万能なテクノロジーの幻想が打ち砕かれた時、人々は遅蒔きにして帰還るだろう。愛の時代へ。

アトムは太陽に突撃した。正義の為に。
俺は地球の片隅で殺伐した空気を吸って、苦悩に仰向けになり、横たわる悲しみに魂のカタルシスを願う。
刹那の怖さに打ち拉がれながら、ちっぽけな命を、からっぽな涙を、この叙情に還元して―それのみを意味として、人一人愛するために、多数の人を傷付ける。その償いはまだ取り戻せるだろうか。

心のどこかで積年の無情を。
ジェノサイドの原罪を民族の歴史に。
人間の原型が抽象的神話の誕生を物語り。
ミレニアムの夜に次世代の架け橋を。
アノミー症候群がパースぺクティブに。
アクティブとナチュラルの融合が音韻の先に。
この行間の吐息に。

2005/12/27 (Tue)

[13] 黒道X号線の路傍
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黙殺された星雲から、地表へとメテオストライク。
煮えたぎる活火山からマグマの噴出。

愛されることに慣れていない子供達。中指立てることを忘れた中年。若かれし日々の残像に縋る老人。血祭りを喜ぶ破壊神。
「いってらっしゃい」と見送る貴女。
もう会えなくなるの、まだ知らない穏やかな笑顔。
もう此処には帰らない決意で「いってきます」と笑う俺は濁った空を見上げた。
フェイバリットな詩集と哲学書、二冊の本を友に、あの断末魔の雄叫びのサプライズを直撃するまで。
旅から旅へと転がる所存。

紫の煙立ち上るワーズワースの森。
ここは懐かしい祈りの空気。さながらフリーダム。
また朝が来てしまう。
真夜中の夢の続きは白昼の陽光が、リセットさせる。

マドモアゼル、イノセントデイズ。
レミゼラブル、ロンググッドバイ。

糞を食らう犬の姿の高貴さよ。
生けとし生けるものそのものの佇まいが、落ち武者のように慈悲を湛えてメメントモリの業の深淵を見る。

稀有なる反射神経が喝采の網の目から零れ落ちて、太陽のレプリカ、永遠のオブジェを魂の彫刻刀でひたすらに。
幽玄かつ神妙なる湿地帯を過ぎ、枯葉を踏みしめて、花開くのを待つ蕾を見上げる。
ピンクに染まるであろう、貴女の嫌いな季節を想起する。

重低音を響かせて、マッハの速度で太く吠えよ。
人はローリング。
行くぜ、デッドオアアライブのトライアル。
掴むぜ、焦燥と軋轢のマテリアル。

帰らぬ家のおかっぱ頭の貴女に捧ぐ四つ葉のクローバー。
一つだけ一つだけ、夕闇の温度に逆上せて巨大な隕石に自分を重ねて。
死火山から蘇る不死鳥のように舞えよいざ。


帰らない。帰れない。
霧の国の遠くで俺は、転がり続ける間抜けな猿だ。
誰が人間だか分からない。
子供、中年、老人、破壊神、断末魔…お前等を纏めても、たった一匹のミジンコに勝てるか?


クローバー。クローバー。貴女は浮気をするだろう。
誰も俺を待たぬ。黒道X号線の路傍。
腐ったクローバー。

「ただいま」なんて口が裂けても言わまいさ。

馬鹿野郎め。

2005/12/25 (Sun)

[12] 黒いクリスマス
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黒いクリスマス。
黒いクリスマス。
皆殺しの天使よ、怒り猛り狂え。
手を繋ぐ恋人達の両腕をチェーンソーで切断せよ。
サンタなんか来なくていい。
お前等が幸せになる権利などない。

その代わり、ジキルとハイドの仮面を被ったトナカイが角で、お前等の急所をえぐるだろう。
スノッブな欲望が溢れ、闇夜を飾るイルミネーションの市街地。むせ返る人集りの中で。

黒いクリスマス。
赤い服着た奴らが、道端でぶっ倒れているよ。
明日は葬儀屋が忙しくなるね。

2005/12/25 (Sun)

[11] 黒い正気を保て
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自殺の神様が俺にほのめかす。「お前なんかが生きててもしょうがねぇよ。さっさと消えちまいな。」


うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!
叫んでも叫んでも、苦しみしか覚えない。

悪意が俺を壊すんだ。偽善のハンマーを振り下ろされて正気が儚く散る。

浮ついた足取りで何処を彷徨えばいい。


うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!

うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!


俺は金が欲しい。
俺に金をくれ。
いいから早く。
幻覚も妄想も、もう俺はいらないから。

助かる望みのない現つ、青い鳥を殺しちまった。ちゃんと餌を遣ったのに。ちゃんと世話してやったのに。あんなに笑ってやったのに。
帰って来いよ。俺の青い鳥。

俺をせせら笑う奴らよ。お前等の背中にも自殺の神様が見えるぜ。気付かずに阿呆面してやがれ。

俺の心はキマイラ。半人半鬼、イル・スパイダー。人の心が欲しいだけ。人肌に唯触れたいだけ。

何枚毛布を被っても、痩せっぽっちの貴女を抱いてみても、寒い夜は寒いから、まさぐる手は震えるばかりだ。


うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!

うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!


イキるぜ。
(お前なんかが)

イキるぜ。
(生きてても)

イキるぜ。
(しょうがねぇよ。)

イキるぜ。
(さっさと)

イキるぜ。
(消えちまいな。)


自殺の神様に復讐する手段は一つしかねぇ。

人の心を失えど、青い鳥を殺しても、寒い夜に凍えても、金なんかなくても、土の上に毅然と俺は立つ。
迷惑だろうが、まだ居座るぜ。


うわぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁあああぁ!


どす黒い正気を保て。
ぬわっ!


刻には凶器を振り回しながら、時には狂気に振り回されながら。
ぐはっ!

2005/12/24 (Sat)

[10] 黒いベル
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今日もシャブ打ちゃ

黒いベルが鳴る

嗚呼 うざってぇ

この倦怠…




2005/12/22 (Thu)

[9] 嘘・黒・鼻
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愛と呼べる確かなものなど俺にはないから、鼻だけがやけにどんどん伸びていくばかりだ。
権力と呼べる確かなものなど俺にはないから、貴女を傷付けないと、強さが足りないように思えてくる。
愛してる、と言うほどに俺の鼻は伸びてゆく。
ブラリとダラリと、長く黒く、ピノキオのように嘘を付けば付くほど。


「好きなんだって」思い浮かんだ口笛の旋律を奏でても、届くはずない。

まだらに続く道の途中、交差することなき、運命線。

流れる鱗雲に目を奪われて、貴女を忘れそうになる。

綺麗なだけの愛の歌。優しいだけのオーロラ。温かいだけの日溜まり。
全部嫌いで虫酸が走る。

どす黒い衝動に潰される二人称ゲーム。無意識のジョークがナンセンスを演出する。勝負する為の土俵に来い。セメントに埋め立てたセルマソング、ぐちゃぐちゃに散らかったままリピートして。


俺の爛れた鼻が、嘘の臭いに過敏になる。


嗚呼、人間て奴ァみんな、気さくに偽りを許すんだ。


みんな。


みんな。


タダイキルタメダケニ。


俺の嘘・黒・鼻は許せずに。

2005/12/22 (Thu)

[8] ブラックワルツ
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いつ
いかなる時でも
貴女が必要な時に
俺は窓を開けるよ
どこを切り取っても
青い空が
見えないのなら



ワルツを踊ろう。脚が腐るまで。涙を流そう。雨が止むまで。
ワルツは美しい。涙も美しい。俺らだって美しく見えるはずさ。
フロイトが提示した俺の精神鑑定は、ブラックホールと云う結果が記されていた。
男たらしの貴女が、俺と踊る廻る跳ねる。時間を測る砂の時計が止まってしまった。貴女が魔王に連れ去られてしまうかのような不安が、心を重くした。


青い空が
見えないのなら



ワルツを踊ろう。涙を流そう。砂時計が止まっても。美しく美しく美しく。今だけ。


光さえも閉じ込めるブラックホール。スクラップにされた未来、シェイクスピアのような悲劇。俺の英雄は人間臭くて異端染みている。


踊り廻り跳ねて。俺らは確かにこの世界が美しく見えたように感じた。

例え涙で歪んでも。

2005/12/18 (Sun)

[7] 黒心中
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悲しい。悲しい。悲しい。淋しい。虚しい。嬉しい。愛しい。悲しい。悲しい。淋しい。君。僕。淋しい。淋しい。悲しい。虚しい。愛しい。君。嬉しい。僕。止まらない。止まらない。想いはエンドレス。止まらない。悲しい。淋しい。虚しい。嬉しい。愛しい。君。僕。想いはエンドレス。止まらない。君。僕。あああ。悲しい。あああ。悲しい。あああ。淋しい。君。嬉しい。僕。愛しい。想い。重い。止まらない。重い。悲しい。淋しい。あああ。あああ。君。僕。世界は終わらない。終わらない。あああ。悲しい。淋しい。止めて。終わらせて。誰か。君。僕。あああ。終わらない。エンドレス。想い。世界。重い。世界。止まらない。君。終わらない。僕。君。僕。悲しい。悲しい。エンドレス。あああ。淋しい。苦しい。何で。悲しい。淋しい。何で。終わらない。悲しい。愛しい。誰か。止めて。重い。世界。君。僕。終わらせて。何で。エンドレス。嬉しい。愛しい。あああ。虚しい。淋しい。あああ。ずっと。ずっと。悲しい。淋しい。虚しい。愛しい。苦しい。あああ。ずっと。ずっと。あああ。君。僕。エンドレス。

2005/12/18 (Sun)

[6] 黒色クレヨン
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商業主義に呑まれてロックなんてもう、ナイフじゃなくなったのさ。
退屈十番街。凍り付く世界。ノイズが足りなくて、必死に探した。9mmの傷と4滴の涙を、クリーム色した砂に埋めた。もう白いスニーカーは買わない。増歪する笑顔しか俺には似合わないから。電波障害が常に脳波を左右する。ソフィスティケートされたトータルコーディネイト。奴隷的屈辱。安いコンドームは無いですか。娼婦が孤独を売るのです。赤子がドラッグに溺れるのです。老婆が猫の脚を切断するのです。浮浪者が食物を奪い合うのです。障害者がプルトニウムを隠蔽するのです。黒いクレヨンだけ減り続ける、胃潰瘍患者。




臆病なだけだった。



2005/12/18 (Sun)

[5] 精神暗黒街
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ドブネズミが核実験の犠牲となった。ドブネズミが核実験の犠牲となった。ドブネズミが核実験の犠牲となった。

バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。バロック調の音楽が誰に聴かれるともなく群衆の中に流れた。

俺のペンが人をまた傷付けた。俺のペンが人をまた傷付けた。俺のペンが人をまた傷付けた。

警察上等。
警察上等。
警察上等。

知らない間に狂ってく。知らない間に狂ってく。知らない間に狂ってく。

性欲処理の緩い君。性欲処理の緩い君。性欲処理の緩い君。

笑えるよあいつは自慰の天才だ。笑えるよあいつは自慰の天才だ。笑えるよあいつは自慰の天才だ。

子供と子供が殺し合う。子供と子供が殺し合う。子供と子供が殺し合う。

テロリストは禿げだった。テロリストは禿げだった。テロリストは禿げだった。

彼女は純愛に泥沼です。彼女は純愛に泥沼です。彼女は純愛に泥沼です。

畜米に尻尾振り穴を掘られた。畜米に尻尾振り穴を掘られた。畜米に尻尾振り穴を掘られた。

日本は倒産しました。日本は倒産しました。日本は倒産しました。

借金父さん大慌て。借金父さん大慌て。借金父さん大慌て。

正義は何処?正義は何処?正義は何処?

あそこに赤がいるよ。あそこに赤がいるよ。あそこに赤がいるよ。

鼻痒い。
鼻痒い。
鼻痒い。

地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。地獄椅子なんかにゃ誰も座りたかねぇよ。

こちら泣く子も黙る精神暗黒街。こちら泣く子も黙る精神暗黒街。こちら泣く子も黙る精神暗黒街。

幼稚な俺が創造した避難場所。

2005/12/16 (Fri)
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