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地獄椅子の部屋


[2] 黒き闘争
詩人:地獄椅子 [投票][編集]

永遠に逢う事無き貴方に湧き出る慕情。
過剰なる欠落の欠落的構造が、フラジャイルを鮮明に浮き彫りにする。
誰も手を離してはならぬ。其の琥珀の記憶を。誰も誰も。
忌まわしき苛酷な危機を凌駕するまで、そして不健康なる心身にまつわる来歴を読解するまで。

沈鬱なる空に、慕情は馳せる。
其処に貴方が風雲のように佇む事を祈願しながら。
俺は地上に束縛されて、この巨大な書物のような世界で、一枚一枚と呪われたページを破棄する。

永遠など誰が創ったんだ。
それ自体が孤独を宿命付けてるじゃないか。
辛苦が信仰を誕生させ、宗教の根源に不幸が有り、神と弱者が密接に関係しているとしても、古来からの秩序から逸脱した者に、何がもたらされるのか。

長い長い渡り廊下で、俺は宇宙を見上げた。
芸術的表現のみ、我が闘争の生命。

ルサンチマンの歴史が、悲劇性の頂点に達した刻、取り零した真実。
そして夢魔は、脳髄を操作し支配する

永遠に逢えない貴方が、笑った後に泣いたのは、俺の詩の所為だ。

許せ、マリア。

2005/12/13 (Tue)

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