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乙の部屋


[1] 嫌悪感
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全く以て、憎々しいのは、彼の様な下賤の輩にも、
わたしと同じ、赤い血が流れている、という事だ。

なんとも馬鹿らしい。
無能で下等な生物である癖に、図々しくも、
"終わり無き人生"なんぞを求める──

そんな輩が、此の世界にはびこって居る事実が、不快なのだ。
わたしが信じる唯一つの死生感、
其れに反するものである、彼らの其の思考が、
こんなにも、わたしを不愉快にさせるのだ。

どんなに不平等な世界で有ろうとも、
回り来るのは、生と死よ。
終わり無きものなど、此の人の世に、有ると云うのか?



……人間は、愚かしい。

嗚呼、終わりが巡って再び来る始まりに拍手を!

2004/04/19 (Mon)

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