鳴りやまないベルが煩わしいから、受話器をあげた。
会話したかったわけじゃあない。
……万全な人間関係を築くには、交流が不可欠だと、そう思っているので。
厄介なことを明日に持ち込む行為は不必要だ。
困ったときに相談する相手は決まっていて、
誰それの陰口は誰それへ、
そうやって誰からも反感を買わずに生きてゆくシステム。
……万全など有り得ないと知っていても、
電話線のように、たった一本の繋がりだからこそ、断ち切ってしまうことが怖いわけだな。
喧しいベルがまた鳴りだす。
2004/04/20 (Tue)