冷たい風が吹く度に、月は冴えて輝きを増すのだろうか。
君のために?
愚かしいことの極みが君の想像の上に有るから、
それでは太陽の無い明日が来るに違い無い。
(いいえ、いいえ、悲劇など望んでは居ませんが、しかし私は)
──それでも哀れだと言うのだね、自分が。
歪まぬ道は、冷えた冬の空気を真っ直ぐと抜け、
月へと向かって伸びている。
玉兎と金鳥が出逢うまでもう幾日も無いのだとしても、
君があの空を見ないと言うならばね、きっと君には、
端から救いも奇跡も要らなかった。
2004/04/20 (Tue)