知ってしまった君の悲しみ

どれほど涙を流しただろう

僕が笑っている間に

どれほど傷ついていたのだろう

君の流した思いを

掬い上げたかった

でも

僕の掌では小さすぎて

溢れて零れ落ちてしまうよ

元気だよ

君は笑顔で嘘をつく

密かに思い詰めた心が

深く溜め息をついた

わかるよ

どんなに潜めていても

今日のような寒い日は

君の想いが白く浮かぶから

ゆっくり並ぶ二人の足音

グレーに映える秋の色

二人の間を風が駆ける

僕と君の指先

探り合いの変な駆け引き

５�pの距離

歩幅を君に合わせて

僕は歩く

景色の中にきっかけを探して

もしかしたら

僕は

恋をしている君に

恋していたのかもしれない

みんなの「がんばれ」が

不安で震える僕に

マフラーをくれる

凍えた心に

勇気という春が来た

何を言えば喜ぶの

何を言えば傷つくの

僕は君じゃないから

心の痛みはわからない

心が声を出して泣かなきゃ

気付けないんだ

君の声が聞こえた

いつもの明るい声



気がついた

僕が走り出していたこと

心の中に君がいること



好きだと君に伝えたいこと

恋に悩む君を

勇気づける僕

君が一歩踏み出す度

君が嬉しそうに笑う度

君は僕から離れていく



僕は追いかけたい気持ちを

必死に堪えているんだよ

ねぇ

誰が好きなの？



今

目の前で

微笑んでる人

そう…君だよ



本当は

言いたくてしかたがなかった

なんでも話せる仲だから

こんなに好きになれたのに


なんでも話す仲だから

知りたくなかったことまでも

たくさん心に刺さるんだ