自分の心が

こんなにも脆く儚く

形を変えやすい物だったなんて

別れのキス

少し強引に奪って

離れた距離を必死に繋ぎ止める


甘くて

少し痛い

ファーストキス

子供みたいな小さな手で

僕の瞳を精一杯に暗闇で覆う

何も見えない

でも不安じゃない

この覆われた世界のおかげかな

ふと柔らかく唇を奪い

春風のように改札を駈けていく

まるで愛のどろぼう

君は本当にいじわるだ

わからないよ

自分の中にあるのに



誰か

僕の心の説明書を下さい

僕の小指から延びた

赤い糸

無数に絡まる辿った先

君の小指へ辿り着くのは

いつになるのだろう

必死に解けば解くほど

裏切り

絡まっていく

もしかしたら

その糸の先に

君はいないかもしれないのに

今まで気付かなかった

こんな所に

こんな近くに

可愛らしい花が咲いてたなんて

僕は

風にふれ

雨にふれ

太陽の暖かさにふれて

君を見つけた

今日は

いつにも増して

君を見つめてた

どんな君も見逃したくない

そんなことを思って

風が吹いてる

木の葉の揺れる影道を

他愛ない言葉で染めて

少しの遠回り

僕の気持ちは

会わない時間だけ

すり減って

心の奥底に

思いを積み重ねる

そしてまた

君と触れる度

砂時計を返したように

また繰り返されるんだ

「また明日」

夕焼に染まる素敵な言葉

細長く延びた影が

見えなくなるまで手を振った

「また明日」

僕もひとこと口にする

君が待ってくれている

明日を目指して