別れのキス

少し強引に奪って

離れた距離を必死に繋ぎ止める


甘くて

少し痛い

ファーストキス

自分の心が

こんなにも脆く儚く

形を変えやすい物だったなんて

夕暮れのグラデーション

僕はそれを欲している

あの美しく滲む空を



本当に手にしたいものは

たぶん手に入らないのだろう

世界はそうできている

そう感じる僕がいる



構えた携帯電話に

あの美しさは写らなかった

お別れの言葉

どうしてもまた会いたいから

「またね」

幸せな時間が

とても早く過ぎ去ってしまうのは

どうしてなのだろう？

僕の胸のドキドキが

時間までも

急かしているからなのだろうか…

自由ってなんだろ？

フワリと舞うたんぽぽの綿毛？

カーテンを揺らして走る風？

公園で踊るサクラの花びら？

僕は探してる

自由

僕の心が

彼らを羨むことがなくなるまで

あの日に

あの時に

置いてきてしまった

大切な思いたちを

僕のアルバムに取り戻したい



たくさん余った使い捨てカメラ

片手に握りしめ

僕は息を切らして

あの日を探している

やっぱり必要だ

そんなふうに君を思える時

僕は初めて

素直になれているのかもしれない

笑顔で話す君

知りたくなかった

君の幸せ



右のポケットには

渡せていないラブレター

僕の勇気が足りなかっただけ



君には罪はない

君には罪はないのに…



やめてくれ

そう叫ぶ僕がいる

見つめていれば

見えてくる

温度も

色も

心の形

君の気持ちも

何もかも



それでもぼやけて

霞んでいるのは

揺れて

迷って

曇ったような

僕自身