クリスマスが近い

周りはカップルだらけで

あの子も好きな人に

手編みのマフラー



そんな夜に

誰でもいいから側にいてくれ

誰でもいいから過ごそう

そう思った僕は

最低だ

深い深いその愛に

溺れていく自分がいる



叶わない恋なのは

明らかなはずなのに

時がたてばたつほど

息もできないくらい

胸は苦しく

静かに溺れていく

なんでも話せる仲だから

こんなに好きになれたのに


なんでも話す仲だから

知りたくなかったことまでも

たくさん心に刺さるんだ

ねぇ

誰が好きなの？



今

目の前で

微笑んでる人

そう…君だよ



本当は

言いたくてしかたがなかった

恋に悩む君を

勇気づける僕

君が一歩踏み出す度

君が嬉しそうに笑う度

君は僕から離れていく



僕は追いかけたい気持ちを

必死に堪えているんだよ

君の声が聞こえた

いつもの明るい声



気がついた

僕が走り出していたこと

心の中に君がいること



好きだと君に伝えたいこと

何を言えば喜ぶの

何を言えば傷つくの

僕は君じゃないから

心の痛みはわからない

心が声を出して泣かなきゃ

気付けないんだ

みんなの「がんばれ」が

不安で震える僕に

マフラーをくれる

凍えた心に

勇気という春が来た

もしかしたら

僕は

恋をしている君に

恋していたのかもしれない

ゆっくり並ぶ二人の足音

グレーに映える秋の色

二人の間を風が駆ける

僕と君の指先

探り合いの変な駆け引き

５�pの距離

歩幅を君に合わせて

僕は歩く

景色の中にきっかけを探して