詩人:ユズル | [投票][編集] |
澄んだ音のアルペジオ
光の粒がおどるよう
すべてのものには小さな
翼がついているみたい
そんなふうな夕暮れ
いたいけな星が目を覚ますまえに
君をむかえにいく
意味のない響きだけ
並べたいわけじゃないのよ
君なら 気付いて
変わらない 優しさも
日常の 理不尽も
愛しい ざわめきも
包み込むようなメロディー
君とさがしていた
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雲がのんびりとしていた
わたしはそれを見ていた
終電のベルが鳴った
わたしは急かされ走った
世界は どっちだ
どんな顔で迎え入れるの
正しい立ち位置はどこ
何にむかって飛び込めばいい
胸のきしみは無視して
走ったら靴がぬげて
雨が心を落ち着かせて
タクシーに運ばれた
世界は どこ
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てのひらは綺麗で
なんにも汚れてはいなかった
でもそれに意味があるのかは
わからなかった
遠く 遠くばかりを見てるから
道が 月まで届くみたいな錯覚
優しい人々の群れから逃れたら
あおあおとした草原みたいだ
羊たちは案外
つよい瞳をしてる
知らなかったでしょう
てのひらは綺麗で
なんにも汚れてはいなかった
でもそれに意味がないことに
ずっと気付いていた
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考えてもみたら えらく平和で
なんにもつらくなんかないと
思うには 思えるんだよ
街はきょうも 人で溢れて
きのうと同じような 時間を刻む
時間においてかれるとか
はたまた飛び乗るとか
そんなのはなくて ここにいるだけ
ああ 憂鬱な日々
古びた喫茶店
コーヒーに浮かべた思考
つながりのない淡い哲学
命ははかないけれど
わりといつまでも 続くらしい
あなたは幸せですか?
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ピンク色 水玉 開いた
しずくを 弾いた
それが 少し 楽しそうで
ふと 泣きそうになったから
うつむいたら みずたまり
幼い瞳 こっちを見ていた
きらきらと うつした姿
なにひとつ 意味なんてない
望みすらない 人のかたち
憂鬱な 雨の日
振り払う 意識すらない
むなしいね
憂鬱な 毎日
変わりたいとも 思えない
かなしいね
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きらいだ だいきらい
とんがった言葉が降っている
あんまりうまくいかない
そんな程度の涙が降っている
優しいのはほんとうだけど
臆病で弱虫なものだから
それがふたりいるんだから
はかなくって繊細すぎて
それでもいくつもの涙を
互いの地面に降らせながら
今にも離れそうな手を
つないだままにして
臆病者はほんのすこしずつ進む
体温を確かめながら
不安定な夢をなだめながら
これってとても
素敵なことじゃないかな
とてつもない幸せが
二人をおそうから
わたしたちはいつも
泣いて手を繋いでる
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太陽はからりと照らして
いつのまにか 汗が落ちる季節
しゅわしゅわした みずが
恋しい 喉が いとしい時間
おいてかれてる さむい夢
てぶくろはいまだ 片隅に
優しさは つめたいほうがいい
わかってなんかほしくない
青い あおい 空に
浮かんでる きみの雲が
大きく 力強く ふくらむほどに
わたしの雲は ほら 見て
風に かきけされて
今にも 消えてしまいそう
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なめらかにするすると
空をすべっていく曖昧な
想いは優しい色をして
きらきらと光りながら
透き通る水の音を聴きながら
あなたを包んでしまおう
まぶしくてたまらない
その瞳を覆うてのひらは
いつでも綺麗にしておくから
香りすらないまっさらな
できる限りの清さを
あなたを傷つけるものなんて
ひとつだってない
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現実から飛び出したくて
描いてた馬鹿みたいな世界
戻りたくなかった
蔑まれても気にはならなくて
連れていってよ列車
綺麗すぎて不自然な空想世界
星の道を 走る
降り出したのは
つきささるような 苦い雨
幻は地面に落ちて
あっけなく 消え去った
悲しくてうらんだよ
雨を降らした だいきらいな君
心地良いものだけを探して
風に乗ってきたのに
ただ優しさに夢見てた
あのころは帰れない時間
目の前はこわいものばかり
巡り会うたびきりきりと痛む
もう君しかいない
だいきらないな君しかいない
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身動きのとれない夜に怯え
枯れた花束はばらばらになる
くだけちることは叶わないのに
君の声は膜をかぶったみたいで
いまだなにも切り裂けない
階段を駆け上がる君の足音は
私の眠りをさまたげるばかりで
私はね
ふと流れるたまの優しさを
壊れないようにつまみ出して
透明の箱に閉じ込めて
ずっと大切に置いておきたいの
君は望まないだろうけど
君は許さないだろうけど
夜になれば眺めていて
眺めていたら夜が過ぎて
そんな夜を繰り返すの
君は望まないだろうけど
君は許さないだろうけど