詩人:ユズル | [投票][編集] |
鏡の中の世界に
君が 知らぬ間に行ってしまっても
いつもどおりに笑うなら
私は 気付かなかったかもしれない
母のお腹の中のような
羽のような優しさに
気付かないうちに守られていた
そしてそれに慣れきっていた
私 最低だよ
今までごめんね
今 震える声と指先が
澄んだ蒼い空気を 飛んで
愛とか未来とか
嫌いだった言葉さえ 天使の翼になるよ
一番綺麗な水を 風を 君に
世界は今 初めてゆらめいて
ひらけていく 光が舞う
私は 君と 生きるよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
なんだかね
中身がからっぽの
そんな物語を歩んできた私は
何を言っても薄っぺらくて
ときどき空しいね
言葉が力を 秘めるには
それなりのものがやっぱり必要で
でも長年 固まってる時計は
動き出すのが つらそうだ
言葉に羽が生えて
優しいけど 重みを持って
誰かの空を 飛ぶ
世界を ふるわせる
いつかはそんなふうな
詩を書きたいな
今からでも 大丈夫だよね
深く 深くなりたい
夢見るだけじゃなくて
今 本当に動き出すから
そして いつか特別な 言葉を捧げよう
詩人:ユズル | [投票][編集] |
伝わった
しんとした空気を震わせて
君の瞳から、指先から、唇から
じわじわゆっくり
ささやかな願いと
君の痛み
いまだに
じんじんしている
胸が震えて、眠れない
愛おしい夜だった
詩人:ユズル | [投票][編集] |
想いがこぼれた
星みたいに綺麗だった
意地っ張りで 頑なで
だけど瞳が揺れているから
ああ はるか 果てまで
一緒にいられたらいいのにね
夢物語 静かに手をつないで
いつからこんなに 素直になったの
だって 世界が終わるなら
必ず あなたの隣にいたい
ねえ はるか 果てまで
一緒にいられないのなら
夢物語 静かに手をつないで
いつからこんなに 切なくなったの
だって 世界は終わればいい
必ず あなたの隣にいるよ
あなたと見る 世界の終わりは
なによりもきっと 美しいよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
真っ暗闇が 青く光る
ヒールの音が さまよっている
こんな深い夜には
ガラスの国で
出会う そして 踊る
手をつないで
朝は 別れの色
覚めないうちに
踊る そして 泣く
手をはなさないで
「おいていかないで」
そう思ったところで
消えてしまう 音も無く
夢でしか会えないのなら
閉じ込めてくれて いいのに
夜にしか会えないから
いつでも つらくはかない
真っ暗闇が 青く光る
今日もまた 誘われる
「終わりにしなきゃ」
ねえ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
ゆるい風が吹いている
心をそっと 隠したまま
彼は 切ない指先で
白い花に 触れようとしていた
悲しみが 二人を襲うから
同じ瞳をしているのに
伏せたまま 交わらない
澄んだ水が 降り注ぐ
光を映して ただ綺麗なだけ
こんな世界の 真ん中で
気付けば ひとりになるのだろう
嫌です そんなの 嫌です
もっと そばにいます
君の 指先を 包みます
しあわせは そんなに
難しいことじゃ ないから
二人で 向かいましょう
消えたりしないで
願うだけならば 許される
胸の内で 軋む音
静かな 悲しみのなかで
臆病な 二人の間で
いっそのこと 願いも 軋みも
晒して しまおうか
晒して しまおうか
詩人:ユズル | [投票][編集] |
からっぽで でも長い時間
積み重ねてきたものは
そんなにカンタンに 変えられはしないよ
だってもう 錆び付いてるんだ
優しさに触れるたび
心が暖かい涙を流すたび
矛盾がぼくを蝕んでいく
人格が 人生が
きみのそれと 交わるたび
ぎしぎしと軋む
まるで 許されないことみたい
きしきしと痛む
ぼくが 耐えられないくらい
嘘つきだから 嘘をつくよ
きみに千の嘘の花束を
これが ぼくの精一杯
最後の優しさだから
何も聞かずに 受け取ってよ
さようなら 夢の夢
詩人:ユズル | [投票][編集] |
暗い 暗くて嫌いな 形のない何か
それさえ 世界を動かすキーになるらしい
満ち足りない想いが 空気に触れる
なぜかそれで 満たされる人がいるらしい
人生が交わる この広い世界は ドラマだ
本当に よくできいてる脚本
いくつもの伏線が 突然どこかで繋がって
怒りが喜びを 喜びが悲しみを呼び覚まし
乱れ 乱れたのちに 綺麗に揃う
けれど誰がそれを 楽しめるんだろう
終わりのない 永遠に続く 群像劇
きっと淋しがり屋が 創りあげた世界だ
ひとりぼっちで 愛しいドラマを眺めてる
そいつのそばに 行ってみたいけど
まだドラマの中で 見極めようとしてる
自由な頭のなか とりとめのない想像
それさえ 世界を動かすキーになるらしい
詩人:ユズル | [投票][編集] |
なんとかは ならないかもしれないけど
なるようには なるよ
それじゃ意味ない なんてことない
時間が流れて なるようになることが
どれだけ 大きなことか
死なないかぎり すべて変化していく
それが どれだけ 尊いことか
日々は
なんて むずかしいんだろう