詩人:ユズル | [投票][編集] |
君の小さな 優しい声が
いつもより低く 掠れて
あまりに痛い 現実に
耐える君が つらい
わたしに 手を伸ばしてくれる
それだけが 救い
余裕なんかないんだよって
苦しくて前が見えないよって
言わない君の 言葉が聞こえる
わたしが言わせた 弱音の
責任は ちゃんととる
頼りない けど 強くなる
不器用に 駆け抜ける
好きだよ そばにいる
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あの日々は つらかったね
事実を 受け入れることが
あんなに 苦しいなんて
二度と もう 無邪気な
しあわせは 笑顔は
とりもどせない 気がした
あの日々は つらかったね
って はやく 言える日が
きてほしい
くるよなあ こないのかなあ
きっと くるよねえ
神様 ちょっとだけ 未来を見せて
遠くても くるとわかれば
ねえ
はやく 笑いあいながら
つらかったね って
ほんとだね って
はやく はやく
耐えて耐えて 強がって
支えあって 耐えて 泣いて 笑って
耐えて 耐えても
限界は いつか くる
しあわせなイメージを
必死で 浮かべて 信じて
はやく このイメージが
ほんとう に ならないと
潰れちゃいそうだよ
わたしも きみもね
こんなの詩じゃない
ただただ 言葉をつらねて
詩だって書けないくらい
ねえ
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夕焼け空に 誘われて
玄関の扉をあけたら
ゆるやかな坂に
淡い色の あやふやな恋が
幾つも転がっていた
微笑んで くすんだ輝き
見つめてた
逃げ出すことが みんな
意外とへたで 嘘もへた
とうの昔に 捨てたはずの響き
星の下 街の角で 再会したり
希望なんて ちゃちなもの
ポケットに忍ばせてみたり
くすぐったくて せつなくて
ぼくらはいつも 笑って
何を口にしよう 何を伝えたい
ぬくもりの真ん中で 揺れてる
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天国へ 殴り込んでいって
あの赤い しあわせな味の実を
かたっぱしから 摘み取ろう
なによりも優しい 泉の水を
青い水筒に 汲んで帰ろう
わたしの口から 零れる言葉は
どれも 間違いになって
今まで生きてきたなかで 一番
繊細でとげとげになってる君の
こころに さわってしまう
なんかできるなら とっくにしてる
狂ってしまえたら 楽なのか
そばにいる ことしかできないよ
ただ一緒にいるよ 裸の心で
だって 赤い実も 泉の水も
君に 届けられなくて
ここにあるのは ただ
ちっぽけな わたしだけ
ささげられるのは
この こころだけ
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ゆらり ゆらめく いつもそう
小さな石ころが 叫ぶけど
自転車は風に 押されるまま
結局 固いはずの石ころだって
迷いながら 曖昧な白さで
晴れない空に のぼっていく
ちょっとだけ きつく
走るこの痛みの 理由さえ
朝と夜を 繰り返すうち
かたちを変えていくから
わたしの頭は ぐちゃぐちゃだ
まぶたを閉じて いようかな
遠い国を 思い浮かべて
けれども 冷たくはなれない
甘い飴以外 与えたくない
弱さと弱さを 掛け合わせたら
ねえなにか 生まれるのかなあ
ゆらり ゆらめく いつもそうだよ
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君が描くのは いつも雨模様
パステルの傘で ごまかした
暗い色に こどもが泣く
僕が描くのは 夕焼け模様
境界線の はっきりしない絵
切ない雲で 胸がざわめく
消えてしまうの
いつか見た 神様さえ
しゅうっと夢になるなら幸せ
だけど君は存在してる
二人描くのは 悲しき恋模様
間違いだらけの 夢見てる
つないだ手 くるしくて
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ああ ただ 甘えていただけで
ただの 甘えで 傷つけた
なんて考えなしの夢
わがままなだけの涙
ふわふわしてる つもりで
歩いてきた けど 心の
かけらが
ぐさり ぐさり 刺さる 音
なぜ 気付かなかった
ゆらり ゆらり してるふり
いつまで続けるの
意味もなく 尖っている
かけらが 君をむしばむ
可哀相な君が 優しくする
優しい君を 傷つける
かけらが なくなるまで
続くの? とまらない 破片
ああ どうして
優しい君は 君を責める
かけらの雨から 離れようとしない
せつない なんて言葉じゃない
苦しみ 本当の悲しさ
かけらが 降り注ぐのを
とめるのは誰だ なくしたら
どうなる 狂うの? 夢
ああ ああ…
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ふるさとの 古いお家の
ちょうどあの 階段みたいに
きしきしいっているくらいで
飛ぶ鳥を見て 視線をそらして
風を受け 風に紛れ 紛れて
そんなことをしてるうち
日常の ちゃちな言葉じゃ
片付かないくらい
なぐさめも 届かないくらい
おちていた おちていた
ガラス瓶 飛び出した 飴玉
転がりおちる カラフルに
ひとつだけ ガラスにへばりついた
溶けて ねちねちとくっついて
どんなにもがいても もう
動けないよ 動けないよ
どうして 心を
持ってしまったんだろな
溶けだした 飴玉は
元には戻らない できそこない
瓶の口 ふち あと少し
あとひといきだったのに
こんなところに ひとりぼっち
くっついた部分 切り離さなきゃ
小さくなっても 切り捨てなきゃ
それも怖くて 悲鳴をあげて
まぶたを閉じた まぶたを閉じた
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うずくまる うさぎ
しっぽが 愛しくて
だから あの日 君に
愛されてみよう と 信じた
みどり あお 雨 雨
湿度の高い風が 隠す
あの日の いびつな思い
六月の 迷子
あいもかわらず 君は
優しく やさしい
濁ったのは 私の瞳だけ
あまりに よわくて