詩人:ユズル | [投票][編集] |
冬の 木漏れ日に なりたい
とうめいで ありたい
さらさらと 流れたい
人間は わたし
叶わぬ夢物語
思い描く
ああ けれど
雲の夢は
消えないことだと
知った太陽
月は ひたすら
太陽を見つめて
憧れをいだいた
消えてもいいと願う
悲しみが
夢のしずくと同じ色で
降り注ぐ
君を守りたい
世界が平和であればいい
優しくなりたい
争いたくない
愚かな願いが
世界を回して
くるくると回して
愛しい願いに
負けないように
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目覚めたら ゆらゆらと
したままでも のせられて
さらさら流れる 時間を
ゆく舟 孤独な舟
たたかう
なく
ゆれる
わらう
つなぐ
うつむく
みちる
何も 見えてこなくて
不安の森が 消えない
あなたの微笑みも
あの人の 苛立ちも
染み込ませる 布切れ
とまらない 舟
わたしは 見て 感じて ゆくの
どこまでも ゆくよ
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やわらかな 綿を 透かす 光
魅惑的 気狂いの果て
攫われて
こんなにも 満たされて
優しすぎる ふたつの 魂
しあわせなまま
夜の光へ 辿り着けたなら
たとえ ひとりでも
優しく優しい ふたりのままで
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君のつなぐ 夢の話
誰かの歌う ラブソングより
ずっと甘い それは
スプーンのうえで 踊るようなものさ
僕の足が 疲れた頃
ミルクが あったまった頃
つやつやした キャラメルに
君のつける 歯形
くすぐる 玉の声 凛と 凛と
きっと もっと もう少しで
さみしくなっちゃうの
救うからねって わかってるからねって
語りかけてみてるの
聞こえる?
悲しいんでしょう けど悲しくないよって
こたえはいらない
そんなのいらない
僕の呼吸だけ
聞いて
しんじてみてね
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気付くまえから 本当は
わかっていたんだ
ぼくらふたりの優しさ
惹かれあうのは
運命ってくらい くらい
胸に ささやく 風
きゅんと 光る 縁取り
リズムとる 小さめの指
つきさす 傷もの
すれちがう 夢 ごまかしの 愛
潜む 優しすぎる 絆
気付くまえから 本当は
わかっていたんだ
ぼくらふたりの優しさ
惹かれあうのは
運命ってくらい くらい
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水玉模様の日々の真ん中で
ある日心にあらわれる 醜くて
非道で 優柔不断で 剣を振りかざす
そんなヤツから 僕はいつも
目を逸らしたくなる
水玉模様の向こう側で
君はすべて見抜く
剣の振り方がおかしいと指導までする
僕は 泣きじゃくる子どもみたいに
逃げたり 向き合ったり する
あてのない旅をしていると
思いながら そんなこともなく
こんな底まで 人の心は 力は及ぶので
だから 僕は君といよう
恥ずかしい思いをしてしまうけれど
繊細すぎる綿毛を たくさん
集め続けて 正しく この胸の歓びと
一緒に 僕は君といよう
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不安定すぎる海に触れたのは
いつでも消えそうな風
激しい風 君だけ
いつも 感じたものは
そのまま涙になるから
涙にまどわされない
君がすごく愛しいの
君の降らす 嵐みたいな想い
いつかは離れると確信しながら 君は
薄っぺらな 希望なんて持たずに
僕に 本当に冷たい瞳を 向けて
ささやく言葉が なによりも尊い
その手を 追いかける 愚かな 僕に
「本当」なんてないと 教えてくれる
たどり着けないあの場所に
君と ともに 行こう
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空の青に手を伸ばして
掴もうとした 午後の想い
空は手に入らなかった
白い煙はときに汚く
柔らかな景色と弾き合うけれど
そうでないもやもやは
胸を刺激するスパイス
うぐいす色に 染まる 染めあげる
それが夢だと笑う
木がざわめく音
葉の形を透かす光
繊細すぎる風
川辺のつやつやした石
うぐいす色に 染まる 染めあげる
物語の最後のページ
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冬の交差点 凍る街路樹
ことし はじめて
雪が降ったよ
星の光と わたしたち
なんの違いが あるというのだろう。
ふわふわの毛糸をきゅっと、
編み込む指先の想い。
いつだって夢を追う心。
目の前の言葉にとらわれず、
光の角度について考える。
まだ程遠い そんな足どりを
ぐにゃりと曲がる
すれた傷さえ…
ことし はじめて 雪が降ったよ
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綿菓子を敷き詰めた空
凛と しんと カラコロの音が
メロディにならないまま
紡いでいく 夜更け
広い世界に ひとりきり
広い世界を ひとりじめ
どちらだろうか
わたしだけが在る
胸の高鳴りと
ぼんやりとした夢のようなもの
わたしだけがここに在る