詩人:ユズル | [投票][編集] |
ある日 空と思って
見上げたのは 何故か 地面でした
真っ黒な土が
衰えた木々をたたえて
見下ろしているのでした
枯れた花が
心の先っぽに
ひっかかって
泣きそうだと
感じたのに
涙さえ
枯れていた
色のない風がどこからか
吹き荒れているようで
軋む音が 消えない
もう一度 もう一度
呼ぶ声はだれのもの
もう一度 もう一度
あの空が 見たい
枯れた花が
心の先っぽに
ひっかかって
泣きたいと
願ったら
何度も願ったら
枯れ果てた
泉から
たった一粒
たった一粒
はじまりの涙
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言葉
言の葉
緑色 茶色 金色
感じる色 葉
響き 意味 想い
リズム 表現
言葉
言の葉 乗せるうた
優しさで 包みたい
包んだら 何がある?
世界を? 隣の人を?
たったひとりを?
広がり続ける 曖昧な若い想いは
芽は まだ咲いたばかり
あまりに想いは ひろすぎて
選ぶことも 創ることも まだしてなくて
景色はいつも 色とりどりで
言の葉はまだ 描き途中で
たったひとつ それでもわかること
表現を 追い続けて
やめることはないだろう
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トマトの色したスープがぐつぐつといって
白いゆげがたちのぼりかおりが風に運ばれた
すべてが幸せな刺激を与えてる
そんな風景のなか
やさしく支えてときに刺激になって
見返りなんてもとめずに
純粋に ささやかに
人というものに
よきものになりたいと願う僕と
愛されたいともがいてしまう
認めて欲しいと思ってしまう
支えるから僕のこと見てくれよって
願ってしまう僕と
いつも見つめあっているんだね
鏡の中の僕 君のことは
僕がいちばん知っている
鏡の中は僕 君が僕を
いちばん知っている
この世界は
二面性で溢れすぎて
多方面に大切な思想があって
なんにも枠になんてはめられやしないよ
流れされるななんていうけど
主体性とかいうけど
枠にはめることで生まれた主体って
それを本当と呼ぶことなんて
しあわせって言うんだろうか
こどもだと笑うだろうか
この曖昧な 森と街の融合した海で
僕はまだがんばっていたいんだ
そういうおとなでいいから
本当を無理に作り出すなんてしないで
僕はこの空で探し続けていたい
豊かでありたいんだ
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染みは すごく小さく見えた
気にしないで良いくらい
染みは じわじわと広がった
気付いてはいたけれど
悪い夢だろうか
結った髪 さらさらと 流れて
宇宙になった
誰かが
ぱくぱくと口を動かす
分厚いもやもやで聞こえない
不器用な姿 塵のようだ
星は瞬かない
遠い記憶だろうか
ただ冷たい 薔薇が 一人で泣いた
あの星は今も その主を探してる
王子さまが 帰らなかったとしたら
あの星は今に その主を忘れて
薔薇さえも忘れて
忘れるは消える 王子さま
こんな夜は
とめどない宇宙にのまれる
こんな夜なら
瞳を閉じないで星を探す
染みは
明日の朝には
気にしないで良いくらい
けれど確かにそこにある
そして
甘く冷たくて 動けない
心の一部が消えるような
こんな夜
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やあ こんにちは
あえてうれしいよ
美しい悪魔さん
初めてであったのは夜
暗くて苦いものに包まれて
どうにか白くなる空にしがみついた
しがみついたというよりはたまたま空にひっかかって
ぼくは朝を迎えたんだ
こんにちは悪魔さん
会えないのはもったいない
眠らせておくにはもったいないよ
美しい悪魔さん
魅惑的で生まれ変わる心地
ぼくはそれを手に入れる
ぼくはそしてぼくになる
ようやくぼくになれるから
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雫が一粒落ちて少しの波紋が広がる
透明だったものに色が少しずつ混ざっていく
心にはどんな風も吹く
とりあえず回っていく社会や
朝と夜 星の瞬きさえ越えて
心にはどんな風も吹く
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夜の真ん中
星そのものに腰掛けた人の形をしたもの
包み込む穏やかな時間の流れ
眠っている膨張宇宙
とまらないくしゃみの上で
ひっくりかえって逆さま世界
さらさらと流れゆく小さな輝きの向こう
黒 紫 青 金 銀 宇宙の色
逆さまのそれが 瞼をひらいた
はじめて目が合ったからだろうか
人の形は星からころげおちて
逆さまの輝きの中を真っ逆さま
果てに白 桃 黄 朱 橙 宇宙の色
そして気付いたら
朝の真ん中
星そのものに腰掛けた人の形をしたもの
とまらないくしゃみの上で
ひっくりかえって逆さま世界
とまらないくしゃみの上で
ひっくりかえって逆さま世界
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アメジストな海に 投げ入れた銀の石
ぎらぎらとした瞳には
月の雫が映っていて
冷えたくちびる 結んだ君
甘く獰猛な決意を忍ばせて
ゆらいだ色の先に 手を延ばしている
着いていくよ
どこまでも 着いていくよ
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音の渦の中に 密かに
忍び込ませた 表現を探して
ここは草原で 雨の商店街で
そして宇宙の果てだ
きらきらと降り注ぐ
音符と言の葉
端っこで 真ん中で ゆめを見るよ
ささやかな時間が流れてゆく
優しいと呼べる 数少ない空間
映し出す それは 優しい
切なくて 優しい
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いつまでたっても
いついつでも
わたしのつま先は冷たく
寒さに朱く染まって
ゆらゆらとゆらいでいるのは
どうしてなのかな
どんなに与えられても
どんなに成長しても
わたしの端のほうは所在なく
どこか何かを探して
さまよいたゆたっているのは
どうしてなのかな
優しいこの世界で
暖かい心を持ち寄って
空には鳥を描いて
花の香りのなか深呼吸しているのに
冷たいつま先
さまよい求める心の端
それともそれらは
ぬくもりにとって必要なのかな
わたしはいつでもゆらいで
たゆたう この波の中
襲いくる優しさ 寂しさ
この世界が大好きで
いろんなこと 感じられる
ただ少しだけ思うの
もっと安心してみたいな