詩人:ユズル | [投票][編集] |
星から星へ 旅をして得た哀しみから
深い優しさが 生まれたんだ
望遠鏡で 見つめた世界で
羽が生えない理由を知った
羽を持たない ぼくたちは
今日だってそう
宇宙をめぐる 旅をする
詩人:ユズル | [投票][編集] |
ぎゅう、と目を瞑ってみる
しんとした夢の入り口
音のない白い部屋
そよ風で傷ついていく空間
情熱と憎しみはやがて
静かな幸せと哀しみに
だからわたしは目を開けず
待つこともせず
夢の入り口 音のない白
繊細な空気 さよならの気配
消えていく感情
それでも役に立ちたい
緑の丘で ピンク色の花で
また 出会いたい
降り注ぐ 欠片のなかで
幸せを 君にあげる
詩人:ユズル | [投票][編集] |
さまざまな槍の夜
それでも空はうごめいて
紫と紅 碧のきらめき
稲穂のような金
流れるマーブルの海
宝石のような言葉たちが
枯れていた木に
瑞々しい果実を実らせる
ぴかぴかと輝くそれが
淡い桃色の頬を呼ぶの
そういったものが愛おしい
その人々は
固いパンを頬張りながら
葉からこぼれる光の下で
あの人にも夢を見せたいと
想いを馳せて
今日もうたをうたうよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
手をつなぎあって
優しさ色に染められた
二人の時間ははかなくて
恐怖の種が落とされる
芽を出すあしたを恐れ
それでも笑顔を持ち寄り
健気に暖めあい
今日を眠ろうとする
どうかそっと
壊さないで
そっと
幸せなままに
詩人:ユズル | [投票][編集] |
脈を刻む
痛みが脳を走る
記憶はぼんやりと
色を等しくする
寒くて 魘される 夢を見る
久しぶりだね
夢の住人 忘れられると思ったら
大間違いだよ と 笑う
くしゃみが
私の世界を 揺らして
あっという間に
壊れそうだね
詩人:ユズル | [投票][編集] |
身も切れそうな淋しさを
天使の羽で表現したら
暖かくて素敵だね、と
誰かはそんな気持ちを抱く
それはそれは不思議な
たぶん素晴らしいことで
想いが夢を降らすなら
プラネタリウムみたいな優しさ
わたしの咳ひとつ
夜空に放り投げてみる
星に辿り着いたなら
愛を纏って輝く
悲しみも嬉しさも
同じようなものだから
愛おしいこの世界で
愚かな胸を抱きしめるよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
不安定なのは君のせい
君を責めるのは君のせい
襲いくる幻想 抱きしめて
ああ 神様
僕は 何を壊したいのだろう
誤解がいやで 投げつけた球
冷めた瞳を見たくないから
先にガラスを砕いている
ころころと転がる
そんな石ころの頭の中は
壮大な プライドと いろんな関係の
ぐちゃぐちゃと 自分愛
滝のように溢れ出せば
それだけで海に還ることができたなら
それでも選べない
僕は 何を期待しているのだろう
詩人:ユズル | [投票][編集] |
一瞬だけ 夜の光に照らされて
きらりとした 体の輪郭
鬱蒼とした重たい空気を
纏ったまま まだ打ち破れずにいた
なくしたまま 見つからないもの
きっともう 消えたものと同じ
芽を出したことさえ そう
無かったのだろう
瞳を逸らして 朝に迎えられた
優しい手に 委ねるように
忘れようとした 森の風景
見上げる 月
いつもあの月は
空から 私を 見つめている
あの月は
絶望だろうか
救いだろうか
詩人:ユズル | [投票][編集] |
だいじょうぶだよ
何より尊いものが
ぼくにはわかるから
何より優しいものが
そこにあるから
あたたかい旋律が
包んでいるこの部屋で
きみは呼吸をする
だいじょうぶだよ
何よりも尊いものが
ぼくにはわかるから