詩人:ユズル | [投票][編集] |
閉じこもったきりの
空っぽの 道のり それが
振り返ったら 見えるもの
性質だけは どうしようもない
青い春を 経験していない 僕は
今もなお それを追い求めて
寂しい ひねくれもの
こじらせた ロマンチスト
寂しいと叫んだって
なんにも 変わらないんだ
君みたいに
立派じゃないよ
どうしたら 満たされるんだ
歌ってみても その先は 何もない
ループする 未来だ
ループする 未来だけだよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
震え潜む透明の瞳
薄い膜の中から
蠢くゆるい刹那の連続
彗星が落ちる
肩が寒く風が通る
立ち尽くす影が形変える
朱く染めたカーテンの
その先の夢と闇
どうか彼に 与えてください
十分な食糧と 健やかな水
涙をふいて あげてください
心ごと 抱きしめて
どうか彼を 愛してください
十分な言葉と 激しい力で
涙をすくって あげてください
心ごと 抱きしめて
できないのならば
心ごと 消してあげて
詩人:ユズル | [投票][編集] |
朝と夜の間とか
夢を見た日の太陽とか
月が大きく丸く赤いとき
いつだって
永遠に続く季節を探してた
素直をはきちがえた
気がついたらピエロの笑顔
難しいことに変わりはない
あたたかい熱を求めて
なまぬるい季節を泳いでた
夢が 僕に 手を振って
さよならと 言っているみたいだけど
まだ 行かないで なんて
言えないか
さすがにわかってきたこともあるんだ
わからないことばかりなんだけど
きっとそれがいい いいんだ
きらきら降り注ぐ光なんて なくても
夢が 僕を 振り返って
励ますように 笑うから
きっと 難しいこの世界は
優しいんだ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
夜になるととても切なそうに
けれど昼よりもきらきらな瞳
まさに君は優しきポエマー
美しい涙を探して
ふっといろいろな瞬間は
まったく別人のような顔
それでもなにがなんだって
優しくありたかった
こんなぼんやりとした灯りでも
どうにか歩けますようにと
君の言の葉っぱたちは
冷たい毛布の内側から暖めるから
きっと 僕のぎこちなさだって
君の 身を裂くような 寂しさだって
愚かなポエマーの 願いごと
きっと 叶うから
詩人:ユズル | [投票][編集] |
光の渦の中で きみは
埋れてしまいそう
風が巻き上げるたくさんの星
真っ暗なカーテンの中だから
瞬いて 煌めいて
きみも瞳さえ閉じれば
ふわふわとした枕のうえ
何処へだってゆける けれど
光の渦の中で きみは
きみを 見失う
光の渦の中で みんな
闇に憧れるのは
必然なのかもしれないね
きみだって そう
きみの煌めきが 見たいぼくは
きみのために 闇になる
歪んでいるのはわかってる
真っ暗で きみを包む きみは
やっと 輝けるさ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
疲れるのが嫌いなくせに
青い空ともくもくな雲を目指して
坂道さえも駆けあがる
潮のにおいは少し懐かしい
鼓動はわくわくを表し
汗ばんだ手がくすぐったい
鳴り止まない蝉の声
つめたい水に冷やされたトマト
そう この季節というだけで
なんで胸が切なく不思議な気持ち
思い出す夕暮れに
特別な思い出もないけれど
何度目かの 夏景色
やっぱり切ない 優しい
夏景色
詩人:ユズル | [投票][編集] |
うすい雲のかかる まるい月が
まるで自分からここにいるよって
表現してるみたいに きらきら
真っ直ぐすぎる輝きに
まぶしくって くすぐったい
そんな夜に 包まれて
こんな気持ちを共有できたらなって思う
言葉や 映像じゃなくたって
感じ合えたら すてきだな
まるい月を見てる 窓辺のだれか
きっと おおきく 繋がってるんだ
きつねが言ってた
大切なことは 目に見えない
もっと ひらいて かんがえて
感じていたい ずっと
そうしたら 世界はきっと 優しくて
わたしだけの みんなとの 大切な世界
瞳を閉じても 広がるわ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
ブルーグレーの空に ごおごおと音を立てて
翼を広げた飛行機が飛ぶ あなたの真上
秋 落ち葉の上で輝く栗みたいな色の
その瞳を細めて まつ毛がゆらゆら揺れた
細かな砂のようにさらさらと流れたいときも
大きな青黒い波の音に うずくまる夜も
風みたいな距離で 寄り添ってくれた
それがとてもとても嬉しいのだと 伝えたいけれど
わたしの喉に 渦が起こって 声が出ない
時間がまた なにもなかったみたいに
そっと動き出して あなたの瞳は空から離れる
わたしは 恥ずかしくて 慌てて地面を見つめる
見惚れていました と いつか
打ち明けられる そんな煌めく夜まで
詩人:ユズル | [投票][編集] |
ぎらぎらとした空気を
気まずそうに 振り払うように
からりと笑った あの人は
そんなに強くない
逃げながら 優しいふりして
本当は そうでもない
瞳が濁れば 世界はごみだ
不機嫌な一日が 始まる
明日も その明日も
その明日も
あぁ
澄み切った瞳で
わたしを見ないで
みじめで
死んでしまいそう
わかってる
濁っていく 心のままじゃ
明日も その明日も
その明日も
このままじゃ だめだって
わかってる
わかってるよ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
投げやりな言葉を書き殴ったのも
繊細でとうめいな言の葉を散りばめたのも
ぜんぶぜんぶ あなたのその筆でしょう
これだって あれだって 大事そうに抱えたそれだって
ぜんぶぜんぶ あなたそのもの