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快感じゃがーの部屋


[1065] 訪問者
詩人:快感じゃがー [投票][編集]




被害者意識が
蔓延ったまま

小さな部屋を支配して

呼吸の愉しさを
忘れていた

きみに逢える
嬉しさを





忘れていた










丸い空に色を乗せて

また

在りもしない話
で以って

確かに

存在することの
尊さも

きっと





わたしは
忘れてしまってた










何が
わたしを駄目にした

世界が
わたしを駄目にした

何が
世界を駄目にした










わたしが
世界を駄目にした










夢は今を堕落させ

追うばかりの日常に
光はない

闇の在り処で
待っているのは

まだ
帰れない

本当の心










だけど





君が傍に居て
笑っていた日々の

愛しさを

ちょっとだけ
ねえ

ここで

噛み締めて
眠る










いつだって
二人は嘘吐きで

在り来たりな
模様を

好んで生きてた

君は

強くもなれず
弱くもあれず

背中を向けて
星を数えていたね










そして

二人はいつだって

臆病な兎
みたいだった

あのとき

強がりが
見えなくさせていた





本当の空の青さ










...ねえ

言ったでしょ

わたしは
嘘吐きなの





君のこと

なんて
とっくに





「忘れちゃったよ。」



2009/10/20 (Tue)

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