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快感じゃがーの部屋


[111] 愚かな旅人
詩人:快感じゃがー [投票][得票][編集]



シロイ雪の中 うずくまって
轢かれた黒猫 撫でながら

唯、只管に 声押し殺して
そっとそっと啼いてたね・・・




『あたし達は、共鳴してたんだ』

そう。それだけ。




似たもの同士、

傷を舐めあって
お互いに見下しあって


そうやって


孤独紛らわせる術を
識っていったんだ



指を絡ませあって
何度も抱きしめあって


そうやって


自由手に入れる術を
失っていったんだ





砂漠の乾いたアスファルト

立ち尽くすは、僕ら





逃げ水を追いながら

幾度となく あの黒猫を
僕らはまた救おうとするのに


その術は知らずに
傷つける一方なのだと




『あたし達は、離れる運命』




あたしが愛したアナタは、
何処までもヤサシクて

そして愚かな旅人でした




『あたし達は、離れる運命』




サヨウナラ
愚かな旅人よ。

2007/08/17 (Fri)

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