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快感じゃがーの部屋


[1711] ハードモード・ヒロイン
詩人:快感じゃがー [投票][得票][編集]


満月の夜−

ひざまずいた貴方は
私の手をとって、口づけて

「僕だけのものになってください」と

少し照れながら
はにかみながら

低い声で、そう云うの。



私は驚いて、目を丸くして

頬をちょっとだけ
赤く染めたあとで

呼吸を整え、落ち着き払って
目を見開いて言うわ。

「ぜひ、王子様!」





…なんてね。





ゴミだらけの部屋

カーテンの隙間から
見える世界に舌打ち

あぁ…また、今日が始まる

これが現実だよ!



けったいな人生

でもそう
まだ、やる価値もあると

自分に言い聞かせて
眠い目をこすって

ただ働くだけ



ねぇ、あたし
夢を見なくちゃ、生きてゆけない

でも夢だけじゃ。

「夢だけじゃ、足らないの」



愛のない未来がチラついて

目の前、行ったり来たり
留まってみたり

分かっているけど
やめられないよ

もう、引き返せない!



人生はいつもハードモード

産み落とされた
その瞬間から

試練が始まるの

そして今更になって
やっと、身に沁みた

“世界は不平等”

どんな奇跡も
ケースバイケースで片付いて

はいサヨウナラ



あぁあ…また、今日が終わる

あたしはこの24時間
何をしてた?
何を生みだした?

あたしに何ができるの

一体、何のために
ここにいるの?!



さながらヒロイン
限りなくヒロイン

それは、ハードモード・ヒロイン

うつろいゆく
花のようにセツナくて

ときどき、無性に泣きたくなる



でもせめて、せめて
いまだけは笑ってて

縋りついていて

みじめでもつらくても
その手を離したら

今度こそ、負けてしまうから



人生はいつもハードモード

選択肢なんて、ない
スキもキライも関係ない

お馴染みの夢オチ

涙をぬぐって
また、這って生きるだけ

本能で鳴けばいいよ

時には妄想も必要だって
甘い言い訳、遊ばせながら

2013/02/06 (Wed)

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