ホーム > 詩人の部屋 > 快感じゃがーの部屋 > 轍

快感じゃがーの部屋


[1750] 
詩人:快感じゃがー [投票][得票][編集]




そばにいること
両想いなこと

気づいたらそれは
当たり前になって

当たり前になったなら
ふたりの感度は

ちょっとずつ
ちょっとずつ
鈍っていったみたい



日常に溢れだす

知らない名前
知らない会話
知らない横顔

ねぇ、昨日は何をしてたの?

君のこと
疑いはじめた午後



ホントは少し
かなしかったんだよ

雨に濡れたまま
乾かないの、ずっと

甘い夢を見たくて
掴んだ恋は

とてつもなくニガイ
現実の渦だった



メールの返事
すぐに出せずに

躊躇する心に
この恋の限界を感じてた

絵文字を並べて
ウソをついたら

わたしの気持ち
見透かすように

君は一人で
行ってしまった



寂しいって
素直に言えたなら

今すぐ
逢いに来てくれた?

痛い痛いって
胸がうずく夜

どこを探しても
答えは見当たらない



ホントはとても
かなしかったんだよ

雨粒のなかに
心の涙を隠した夜

君の腕をひく
それだけのことが

何故、できなかったの?
後悔の理由



寂しいって
素直に云えたなら

今すぐ
逢いに来てくれた?

愛しいって
素直に云えたなら

あのとき
逢いに来てくれた?



「君のことが好き」
それだけのこと

何故、言えなかったの?
何故、言わなかったの

ぜんぶ今更
だから。くるしい

当たり前に
君が好きだったって事実

静かに噛みしめてた



痛い痛いって
胸がうずく夜

痛い痛いって
強く叫ぶ夜

臆病なわたしの恋は終わったの



知らない君は
知らない誰かと

知らない街に消えてゆく

当たり前に
わたし

君が好きでした

ぜんぶ今更
だから、せつない



ずっと。せつない



2013/04/08 (Mon)

前頁] [快感じゃがーの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -