ホーム > 詩人の部屋 > 快感じゃがーの部屋 > 門出の春

快感じゃがーの部屋


[587] 門出の春
詩人:快感じゃがー [投票][編集]


痛み、欲しいよ

ブっ刺して
貫いて

完璧を着こなすよ




証拠、欲しいよ

この胸に刻むの

今まだ
生きていると












わからせてよ

変われること



まだ、立ち上がる
時間があること




もう一度、
笑える日が来ること


ねえ、わからせて
















早春

そんな独り言に
埋め尽くされ



たんぽぽの逞しさに

君は、私を比べたの








"勇気が足りない"って



それは、
針立てる勇気なんかじゃ

なくって



明日を覗く勇気だって












...わかんないよ。


















夜になり、
引っかかった台詞

嫌気が差して



そうっと、鏡を覗いてみた










すっごく怖くて...



「痛かったよ」








貫くより刻むより、

もっともっと
痛かった













逃げてばかりで、
本音逸らしてきた現在

でも、



大切なのは
君が言うように

飾りじゃなくて、
中身なんだとしたら...












今なら、まだ
間に合うかしら


当たり前を怖がらずに

夜の闇から
抜け出せるかしら










"さあ、そこへ立って"







笑って、君は
一眼レフを取り出した








"今、シャッターを切るから"








ぎこちない笑顔で
刻印されたのは、

傷跡

なんかじゃなくて



もっと大切なこと







早春、

たんぽぽのよに
強く

逞しくなりたいと



そう願えた、素敵な門出

2008/04/05 (Sat)

前頁] [快感じゃがーの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -