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快感じゃがーの部屋


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詩人:快感じゃがー [投票][編集]




繋いで、繋いで
赤い糸で

紡いで、紡いで
黒い意図で



空から降るのはドロップス



「大人になりたい!」
体は叫んで

「子どもでいたい!」
心は嘆いて



夜通し、
この街を埋め尽くす

悲劇と呼ぶに
相応しい





今、騒ぐのは血液
うたうのは唇

あの子を食べたら
一つになれる

そんな気がして



幸せと呼ぶに
不似合いな、今日

ピーター・パン
みたいな淡い恋



深緑の明日は
ネバー・ランドさ

夜も更けゆき
休まぬ、

時計がカウントダウン



けれど、

求めた
昨日の昨日の色は

歪つなほど
捻じれていて



それが神々しく
輝いて見えるのは、

つまり



あたしそのものが
歪んでるって

ことなんでしょ



センチメンタル、
泳ぎ切ったなら

辿り着く
岸壁

待っていてよね



裏切りが強く
右脳を占める朝



真っ赤な、真っ赤な糸で

繋いで、紡いで
噤んで



つがいで、貝になろう



そうして漂う
白い記憶が

きっと、
ふたりだけの

泡沫になるんだ



2012/05/04 (Fri)

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