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快感じゃがーの部屋


[95] スタンドバイ
詩人:快感じゃがー [投票][得票][編集]


さっきから
かなしい顔して

一時も
視線を逸らさない




ねえ
その目には

どんな景色が
映っているの?



あなたの視界に
わたしはいるの?





返事はなくて




そう

"心此処に在らず"



そんな感じ




空の色は
だんだん暗くなって..



光のない
真っ黒な明日に

手を伸ばしたって
届きはしないのに




"多分みんな
必死なんだね"



あなたは
まだ黙ってる





音沙汰のない
方角に向かって

何も言わず
立ち尽くしたまま



ときどき感傷的

泣いてみたりする





ねえ、
わたしはここにいるのに...





"どうか斜になんて
構えたりしないで"



もう、
自分を強くしようと

鍛えたりしないで




あなたに望むのは
そんなことじゃない

そんなことじゃないの


たった一つ


その生命を大事に、
どうか温存しておいて



それだけだよ、ねえ






ちょっと濁して
肩をすくめた


もうどうでもいいって
顔してるけど


知ってるよ



わたしの言葉が
ちゃあんと
届いてること




そうしてほら、
ふたりは見つめあう



ああ ぱりんと
空が割れて


現在、わたしたち
初めて真正面から

向き合えるの




愛を交わして
微笑みあう

当たり前な景色が
丁度好い



わたしが求めていたのは
こんな些細なこと



だから、ねえ

無機質なものばかりに
心をとらわれて

大切な温度を
見失わないで



わたしはちゃんと
隣にいるから

隣にいるからね




あなたの世界に
わたしがいるなら

それだけで
嬉しいんだよ

2007/08/10 (Fri)

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