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快感じゃがーの部屋


[984] 蜜の味
詩人:快感じゃがー [投票][編集]



昼下がり

白い薔薇の蕾を
躊躇なく

踏み潰した、貴方















誰かを
思うがままに

傷つけて



思春期のよな
鋭さを

身につけていた















張り詰めた世界

声にならない、
痛みは





己を
護るが為の

凶器に変わって















きっと、

君は
その刺で





心の迷いを
隠したかったんだね















けれど
今、

大輪に咲き誇るは





黒赤の薔薇で















君は

臆病な現在を
受け止められずに

いた















だから、

狂ったふりを
したんだろ?





だから、

蕾を
汚そうとしたんだろ?















「若さ、故の過ちよ」















後悔より
泳いで欲しい





泳ぎ切った
その先には、

君の刺を恐れぬ





海が在るから















涙は枯れゆく





でも、

着実に
明日を潤して















やがて
望めるだろう

果てしない空の下で















次に出逢うときには
きっと

ほら





燃えるよに
濡れた

生命の赤


2008/06/23 (Mon)

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