詩人:風凛 | [投票][編集] |
ここを投げ捨てて何を得た
下らぬ紙切れの束だろう
この地はこの地の為にあり
新参者の我らは
太古の海 太古の森の全てに責を負えると言うのかね
今後 未来永劫 責を負えると言うのかね
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追いかけた
儚きささやき
必死の思いで
地図を作り続け
星空に願った
憂いている暇など
一瞬もなく
必死の思いで
コンパスを磨き
求める彼方を眺望する
我は追う
たとえ
わずかな美の欠片でも
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僕の大切な『秋』
地図の半分を交換しようよ
一本の道を自転車で走ろう
道の続く限り
だから『秋』、
僕の大切な『秋』
貴女となら全て笑い飛ばせる
飛べ、自転車!
風を纏って駆け登れ
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遠く遠く消えてゆく星
目を細めて追いかける
冷たい風の一陣が
俺を地上へ舞い戻す
朝方の沢山の風どもが
星を逃がしちまった
その風の一人が言うには
『人間ごときにこの役目は理解できまい…』
ごとき呼ばわりの俺は
ペンを手に取り
ひゅうと投げつけた
凍える風は痛くも痒くもなく
平然とペンを地面に叩きつけやがった
凍える嘲笑が耳に絡まってきたので
一晩開けはなった窓を閉めた
あいつらは風
俺は針の先端の
わずかな領空でしかなかった
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しゃららら
しゃらららっと
歌っていてください
僕はその間
力になれる
僕は削れて
あなたに注がれるから
黄緑の野原で
手放しで歌ってください
しゃららら
しゃらららっと
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磨き磨き磨き磨き
磨き磨き磨き磨き
つるつるの一欠片
絞っても絞れない純晶
研鑽の炎に焼かれ
焼かれ焼かれ焼かれ
焼かれ焼かれ焼かれ
これ以上ないほどに
ガッチリと固まった宝玉を
目をつむって取り出すのだ
雨の日ならなお善し
秋の日ならまた善し
太陽と月の住む大空から一滴ずつ一滴ずつ
ガラス細工より繊細に
画家より大胆に
動物達よりも敏感に
草原よりも広漠に
ただただ鉛筆を
くねらせめりこませ
そして針の先ほどの
くしゃみをするんだ
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わたしは
毎日毎日
白いがらんどうで
犬と向き合う
わたしの目で
何かを見つけた犬
その
しろい犬が吠える
何と吠えた?
何と吠えたか?
何と吠えたんだ?
言葉は拾えず
声は溶けて沈む
すくえども
すくえども
手から水が
こぼれ落ちる
と
しばらくして
再びわたしの
目の犬が吠える
吠えてこう言う
こんどは のがすな
毎日毎日
白いがらんどうで
犬と切磋琢磨
少し楽しいんだ