詩人:風凛 | [投票][編集] |
俺は自分がかわいい
自分の為なら何でもしかねない
平気で自分を納得させる
矛盾だらけでも納得させる
逆ベクトルは飲み下す
喉に引っ掛かってもお構いなしだ
知ってる事をゴミ箱へ知らない記憶をデザインする
価値観をビンタで押しつける
先入観をいじくり回す
知らない間に起こる事
知らない間に終わる事
自分自身のアンダーグランド
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居場所は天
周囲は数億光年の闇夜
私は星だ
王子でも何でもないが
しかし
または闇かもしれぬ
最近
虚を気取っている星だ
かつて
地球と呼ばれる仲間を知り
彼の表面をかけずり回る『人間』を知った
人間は短命だった
だがその短い間に多彩な生き方をする珍しい生き物だった
私はその珍しさに惹かれしばらく彼らを観察した
彼らは自ら物質を加工し地球を自分好みにカスタマイズし
その発展を互いに喜び合っているようだった
私は妬ましく羨しかった
私に無いものを持つ彼らを羨んだ
なんとまぁ、器用な民かと思っていたが…
彼らはなんとも非合理だった
造り壊し造り壊し…
なんとも無意味だ
悲しみを悲しみで塗り返す
私は彼らに同情した
私に無いものを持つ彼らに同情した
だが今はもう何も考えない事にしたのだ…
彼らのもたらす喜びと失望
もう振り回されるのは懲り懲りなのだ
だから目をつぶり
今までのように
闇で空虚な星に戻る
長い月日の後、再び地球を覗いてみよう
彼らは我らの合理の知を得ているかも知れぬからな
沈黙の知を
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何の根拠もないのに
『何でも不変で普遍』
と思い込む
家族が居るのは当たり前
彼女が居るのは当たり前
学校があるのは当たり前
家があるのは当たり前
平和なのが当たり前
布団で眠れるのは当たり前
携帯があるのが当たり前
字が読めるのは当たり前
金があるのは当たり前
車があるのは当たり前
心配されるのは当たり前
清潔なのは当たり前
物が落ちるのは当たり前
夜が暗いのは当たり前
食事をするのは当たり前
生きているのは当たり前
身の回りの
不変で普遍
『当たり前化現象』
なさけない
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終らない道を駆け出して
チョコをひとかけらかじる
最終列車でどこへ行こうと言うの
答える必要なんてないね
黒糸の重ね重ね
時計の針に引きずられて
どこへでも行けます
脆い世界を滑る最終列車
『お疲れ様』って挨拶なんかじゃないね
鎧を付けた私は違う
見せかけの明りが整列する街
黒糸は絶対なのに
もう何も面白くなんかない
今は何も考えたくない
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これをよく覚えておけ
地獄を見なければ地獄は語れない
地獄の縁に足をかけ
覗き込んだ者に
ようやく最初の権利がある
平和な大地では
何を言っても平和なのだから
平和な大地から
遠目に見える地獄には匂いがないのだから
間に横たわるは
舞台と客席を隔てる
第六の壁そのもの
地獄を語るには地獄と共に在るしかない
決して薄い地獄を語らぬように
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黒の絵の具で絵を描いた
隅々まで深夜
優雅さなんかいらない
一握りの自己主張
すこしの苦しさ
かなりの腹黒さ
表現者にはこれだけで充分さ
後、チョコレートひとかけら
一口で無心になるから