カチリ、カチリ、


僕は今日も花時計を回す

この自転車でね
まあ発電とおんなじ



明日の君に会うタメに
また笑顔を見たいから

カチリ、カチリ、

そんな塾帰り

ねえ、

笑って過ごそうよ


そんなに眉間にシワを寄せるな

それは君だけじゃない

全てではないが

多くはみんな経験すること

ただ君は

自分の世界から考えてるので

自分だけ悲劇の主人公だと

錯覚するんだ

かざした手に雨粒
雨の匂いが立ち込める
今日は雨の日


少し高い所へ出かけよう
雨の街を見下ろしてやるんだ
子供に戻ったような
くすぐったい気分で

誰もいない展望台
今日は頑張らなくて良い日
雨の醍醐味さ

ドクダミの葉を数えるたび
毒が増していくのです

人への毒
自分への毒


様々な毒が
とても黒く流れ込んできます


指の先までひたすら黒く染まって


しかし何も出来ぬまま…
今日も終わって行くのです

今日も、くゆらくゆら

昨日もくゆらくゆら

明日もくゆらくゆら




与えられたものをこなして

次の人へはいタッチ

そんな事をしながら
地球儀の上をテクテク歩く
生まれながらにして晩餐
やめられない
とまらない
有限で永遠の束縛

約束しよう

ここにはもう
帰って来ないと


夢から覚めた夢
回送列車

朝焼けの雲
夕焼けの影

オペラ
コラール

老木
森林

風
海

何一つ
元に帰ろうとする者はいない


輝きは一瞬
存在も一瞬

にんげんも一瞬

一年に一度


箱を作ります



自分が入るための箱を



そして

新しい箱の中で




来年の箱を作ります




年とともに小さくなるなんて


ただ

一度でいいから
外側より大きな箱を

作ってみたい


びーあんびしゃす

笑顔で生きていける日々を



(辛い……苦しい)


(…誰か……)



待っている途中なんです

足下から ぞわぞわと冷たい手が這い上がって

体が震える
意識が遠のいて 朦朧

震える指で紙を掴み、







…はっ、くしゅん。

まだまだ治らない。