遠く遠く消えてゆく星目を細めて追いかける冷たい風の一陣が俺を地上へ舞い戻す朝方の沢山の風どもが星を逃がしちまったその風の一人が言うには『人間ごときにこの役目は理解できまい…』ごとき呼ばわりの俺はペンを手に取りひゅうと投げつけた凍える風は痛くも痒くもなく平然とペンを地面に叩きつけやがった凍える嘲笑が耳に絡まってきたので一晩開けはなった窓を閉めたあいつらは風俺は針の先端のわずかな領空でしかなかった
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