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風凛の部屋


[24] ドア裏の決意。
詩人:風凛 [投票][編集]


俺が描いた絵が、
演奏会のポスターに採用された。

二人の子供が一冊の大きな本を見てる絵だ。

俺はそのポスターの見本を持って帰り、両親に見せた。






それから数時間。
俺は両親のいる部屋の前を通りかかって、

ドアの影から聞いた。聞いてしまった。

『あの子は自分が馬鹿だって事に気づかないのよ。

あんなもの小中学生でも描けるわ。』



母が、こう言っていた。



『あんな絵描いてるようじゃ受験も無理ね。』

父は母の前では無口だった。

『あんた、本当にあんな絵が良いと思うの?』




[思ってるよ!!!]



父が、珍しく語気を強めた。

俺はドアの影がやたらうれしかった。

握りしめた手が震え、涙がどっと盛り上がった。

ありがとう親父。

もし、あんたにまで否定されてたら、俺は長いこと立ち直れなかったよ。

お袋、自分を一度でも馬鹿だって思ったら、そこで止まっちまうじゃんか。伸びるものも伸びないじゃんか。

俺はもっと上手くなりたい、お袋の言葉に負けないくらいに。

きっといつか、見返してやるからな。

2005/03/16 (Wed)

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