詩人:ラヂオ少年 | [投票][編集] |
満月の浮かぶ空から一つの星が落っこちた
その星は自分の位置からまっすぐ海に落っこちた
おかげで星座を探していた小学生は困ってしまった
僕は今夜星が一つ落っこちることを知っていた
そして星が落っこちることで起こりうる最悪の事態を出来る限り想像していた
世界から色が無くなるかもしれない
音が無くなるかもしれない
星は呆気なく海に落っこちた
バケツの水に落っこちる線香花火の最後に似ていた
世界は何も変わっていなかった
僕は月明かりと地球の鼓動の中にいた
リボンの結び目が変わっただけだ
詩人:ラヂオ少年 | [投票][編集] |
僕は栓を抜いた
僕の中は浴槽の栓を抜いたみたいに空っぽになった
過去も友人もお金も流れていった
半分ずつくらいとっておけばよかったかもしれない
でもね
僕は古い水じゃなくて新しい水で満たされていたいんだ
べつに今まで溜めてきたものが嫌いなわけじゃない
愛着だってあった
ただ
長く持っていたから捨てられなくなっただけなんだ
本当に必要なものは僕の中にはない
僕の手の中にある
僕が今触れているものだ
詩人:ラヂオ少年 | [投票][編集] |
誤解しないでほしい
君の足が腫れたらそっと洗ってあげるよ
目が虚ろになったって消えたりしない
誤解だけはしないでほしい
たとえ僕の鞄にポテトチップの空き袋ばかり入っていても
財布の中に大金が入っていても
僕は君に石を投げたりしない
引きずり回しもしない
君の足は歩かせてやればいいんだ
着いて行ってすべてを見てくればいい
この世界はポテトチップだけでできているんじゃない
数字だけでもない
見てくればいい
いつもどこかに僕がいる
ちゃんと見ているから