詩人:夢人 | [投票][編集] |
雨が降ってきて
電車に傘を忘れた事に気付く
駅を出ると
傘を片手に窮屈そうに人が歩いている
何故だろう
傘を持っている人が
うつむいて歩いているように見えるのは
傘を買わずに道を歩き
ふと見上げてみると
月は見える気がした
詩人:夢人 | [投票][編集] |
髪を染めて
値段の高い服を着て
手首や耳に綺麗な飾りを付けた
そんな君と再会した
驚いた
君が可愛くなったからじゃない
君が綺麗になったからでもない
ただ君が
都会の人に見えた事に
道行く人と同じに見えた事に
今の俺も君には
この街に染まった
ただの男にしか見えていないのだろうか
詩人:夢人 | [投票][編集] |
草原で無邪気に笑う子供
雨が降って長靴で駆けていく子供
当たり前だった自分の姿を見て
その姿を羨ましいと思う
そして少しだけ怖くなる
いつか
「あの姿が羨ましい」
そう思わなくなる日が来るのではないかと
詩人:夢人 | [投票][編集] |
願えば
誰でも幸せになれる
願えば
いつかは全てが叶う
そんなのは漫画の中の話で
願っただけでは
望んだだけでは
何も手に入らない
いつかはそこに行きたいと願い
歩む事をやめなければ
近づく事は出来るのだろう
詩人:夢人 | [投票][編集] |
昔僕たちは
小銭を握り締めて
おもちゃを買った
きっとそこで買ったのは
楽しい思い出だったのだろう
最近僕は
魂を握り締めて
何かを買おうとしている気がする
陳列された商品は
見栄なのだろうか
お金なのだろうか
それとも
強さなのだろうか
詩人:夢人 | [投票][編集] |
彼氏がいなくて寂しい
彼女がいなくて寂しい
こんな相談
どうして欲しいんですか?
彼氏になって欲しいんですか?
彼女候補を紹介して欲しいんですか?
恋人が欲しい気持ちは分かる。
けれど恋に踊らされていませんか?
恋人って寂しさを紛らわすためのものですか?
俺はそういう事しか話さない君達が
何故かどうしようもなく寂しい
詩人:夢人 | [投票][編集] |
何事に対してでも
頑張ってるアナタへ
君の事を俺は応援します
君の事を俺は尊敬します
頑張ってる人を見て
あざけり笑うアナタへ
君の事を俺は軽蔑します
君の努力を笑う資格
その資格は
誰だろうと持ちえない
俺はアナタを尊敬します
詩人:夢人 | [投票][編集] |
ある日
失う怖さを知る
失う事を恐れて
失うものを作る事をやめる
それでも人の心は求める
何でもいい
ただ一つの大切なものになりたいと
そして、人から貰う事を拒みながらも与え続ける
楽しい一時を
必要とされる知識を
必要とされるモノを
誰かの一番になりたくて
誰かに必要とされたくて
自分にとってのただ一つの大切なものが
自分 でなくなる
その時まで
詩人:夢人 | [投票][編集] |
人は生きてく事の意味を求める
分かってる
その意味が相対的なものだと
他人と比べて充実した生活を
他人より幸せな暮らしを
誰より満足できる人生を
誰もが願うだろう
分かってる
別に生きていく糧に困っているわけじゃない
分かってる
別に不幸なわけじゃない
分かってる
生きてくのが嫌なわけじゃない
分かってる
生きてく事に失望してるんじゃない
分かってる
自分に失望しているんだ
やるべき事から逃げ回ってる自分に
したい事から逃げ回ってる自分に
失望しているのだろう
やればできるのだと知っている
やればできるかもしれないと思っている
分かってる
「しない」は「できない」より悪い意味だと
その事に気づけば
人は歩めるかもしれない
少なくとも
昨日の自分より素晴らしい人生を
詩人:夢人 | [投票][編集] |
誰よりも立派になろうとして
自分より立派な服を着て
誰よりも大きくなろうとして
歩くのが辛くなるような靴を吐いて
誰よりも強くなろうとして
誰よりも多くの武器をまとい
そして誰よりも弱くなる
弱さを人に見せる
それが一番強いのかもしれない
人の間に生きる
人間として