詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
今年もやってきた
私の心を切なくする
秋が
そういえば、私が生まれたのも秋
神様に初めて
祈りを捧げたのも秋
我が伴侶に出会おうたのも秋
秋は、全てが私を切なくする
歌を聴いても
お笑いテレビを見ても
うたかたで、なんだか切ない
毎日、会っている人でも
別れが切ない
本当に切ない
自分の老後、他界した後のこと
家内の言葉
世々の出来事
日常茶飯事にも
ついつい死を考えると
はかなくて
そのはかなさゆえに
また一つ一つ切なさの重石が
私の心に積み重なる
無性に誰か気の知れた友達、恩人、従姉弟などに
会いたくなる
あんなに仲の良かった友達が
ひとり、ひとりと
音信不通になる
本当に切なくて
一層、死んでしまいたくなる
なんで、お金が必要なの
どうして、たべなければならないの
一体、なんで疲れるの
なんで、眠らなければならないの
それらがなければ、人間、苦労をしなくて済むのに
誰が国境など作ったの
何で、同じ血が流れている
人間同士が
殺しあうの
苦しみも悲しみも羨ましさも
別れも、憎しみ合いもない世界へ
飛んで行きたい
あぁ、そんな当ての無いこと考えている間に
私の一番大好きな
物思いの秋は過ぎてゆく
そして、地獄のような冬が
一夜一夜に
迫ってくる
そして、切なさから解放される
詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
存在しているのが辛い
家族の前では
ありのままの自分を演じることができない
健常者の前で
ありのままを演じることができるのは
病院のスタッフだけだ
だとしても
100%できるわけでない
神様!
ホントにいらっしゃるのならば
何故、こんな罪深い私を生きながらえさえ頼もうのでしょう
いいえ、そうでは、ありませんね
この生き地獄のような現世を
生き抜けという
極刑なのですね
戦争、歪んだ社会構造、犯罪、
食、眠、性の三大欲望
病気、死への恐怖
何故に
こんないっぱいの苦しみがあるのでしょう
でも、そんな私に許されたものとは
同じ病を抱えた
友達
私の下らないジョークに
笑ってくれる
ただ、それが
本当に嬉しい
伴侶は、その点
厳しい
そんなジョーク一つでも口にすれば
バカ扱い
でも、今のところは、
土曜と日曜の晩御飯を作ってくれる
それも、来春までだけのこと
家族が一緒にご飯を食べるのが
何よりも幸せな一時
そこに、割り込んでくるのは
私から読書の習慣を奪い去った
テレビジョン
でも、家族で外食となれば
話は別だ
しかしそれも
来春限り
息子たちが
我が家から
巣立っていく
私はこの先
どうなるのだろう
そんなこと考えるのは
極力、避けよう
明日は明日の風が吹く
儚い人生
気楽に生きよう
詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
風の音
月の光
星のまたたき
また、生まれ帰ってくる
朝日の眩しさ
鳥の鳴き声
車の音
空にふわふわ浮かんでいる雲
子供がどこかではしゃいでる
そんな中
不眠と斗っている
雑念とも斗っている
無常なる朝の訪れ
食べるものがこれといって
準備されていない
限りない孤独感
そう
私の父も
私と同じく
恐ろしい闇夜と
斗っている
そして、病を共にして
平凡以上、非凡未満な毎日
自分らしく生きたい
でも、日本というシステムは
個性を殺し
和の中に同化しようと
迫ってくる
和を乱すな
協調性を重んじよ
そんなの糞くらえだ
俺は俺の流儀でやりたい
自分をもっと協調ではなく
強調したい
どうせ何時かは
生まれてきた限り
この世を去っていく
それは来年?
来月?
明日?
一時間後?
30分後?
それとも
この詩、書き終えた時
サヨウナラ
詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
歩いた
途方もない道のりを
風の音に震えながら
たそがれ時が過ぎた
夜の道
暗闇の道
あてなき道
あの時、出会った
優しいあのお方に
ただただ、お会いしたい一心で
でも、全くあてのないこと
あのお方が、お好きであった
あの歌を
口ずさみながら
夜が明ければ
日が昇り
スズメのさえずりに
耳を傾け
心を慰め
再び、あのお方を
探す迷宮入りの
旅路をただひたすら
なんのあてもないのに
詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
こんな頼りのない
とうさんでごめんね
ホントは
お前たちに誇れる
とうさんで、いたかった
もう、今度の春が来れば
巣立っていくお前たち
言い訳になるが
お前たちのこと
生まれた時から
精一杯、手塩にかけて
育てたつもりだ
でも、そんなことどうだっていい
お前たちが幸せな人生を
生きてくれたのなら
それで十分だよ
詩人:なごやん63 | [投票][編集] |
私の幼い時
何の温もりも
残さずに
逝ってしまった
お母さん
今も覚えてますよ
お母さんの死に顔
泥んこに
びっしょり濡れたかのように
土のようになっていた
あの顔は
死ぬまで
いいえ
死んでも
忘れることは
ないでしょう
往復ビンタ喰らった
思い出は数々
そんなお母さんだったのに
お母さんがサヨナラの一言も言わずに
旅立っていった
あの日から涙と死への恐怖感
それが私の半生だった
病気になったのも
死への恐怖感
自殺しそうだと言っても
表の主治医は
神様に病気を治してください
なんて贅沢なお祈り
だめだよ
厳しいお言葉
そこで裏の主治医が登場
どうにかこうにか
その状態から立ち直った後は
眠れぬ夜の毎日
夜眠れないから
お昼寝できるかといえば
そうでもない
自律神経失調症と
ホントの病名からすれば
聞こえの良い言葉で騙し
眠れない、自信のない 器用さがない
私に働けば治ると諭されたものの
働けど働けど
治らないばかりか
一層自信をなくして
がっくり
それでも色々と
胸に染み入る訓示を
下さった裏の主治医
お前を見放さないぞとおっしゃったのに
知らぬ間に遠い何処かへ
行ってしまわれた
表の主治医も引退し
病院を転々
今が一番、最高の病院
こんないい病院があるのならば
早く見つかればよかったのに
それまでは、どこの病院でも
いじめられた
でも、今の病院は
全てのスタッフが
とても優しい
本当に有難いことだ