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トケルネコの部屋


[107] ラブラドレッセンス
詩人:トケルネコ [投票][編集]

ねぇ、君の瞳は春の雪解けのように 柔らかな光に縁取られた宝石

僕は打ち砕かれたコンクリート片のような まるで別世界の雨にうたれる石像


一体 この蝕まれた空 この軋む雲に果てに
どんな景色を描けるだろう?

バカな話さと遠くを見つめるだけの日々で
アキレルほど追憶だけが右へ左へと吹き流れる



天然石を売る店の 小さな欠片を見つめてた君
ラピスラズリに囲まれた その姿がただ優しくて……


独りきりの魂が 誰もが繋がりたいと想う時
不思議なカラクリが響きだし 貴石の扉がゆっくりと開くらしい


失われた波間に浮かぶトパーズの舟
白夜の少年は歩みを止める

手にした流砂に呑まれないよう瞼を上げて
ガーネットの唇と 瞳の奥のラブラドライト その煌めきに導かれ


少年は空を染める 虹を射止める流星となる



2010/07/24 (Sat)

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