朝帰り 水びたしの舗装路 声だけする蛙 染み渡る風 清浄な鐘の音 美しい電線 絡み合う吐息 胸に添わせる手 いたずらな髪 昨日を辿る並木道 宝ものの温もり 固く柔らかい枕 エンピツと青いノート やっと届いた小説 剥がれる白の壁紙 思い出と緋色のボタン 透明な息の睡蓮 四季を運ぶ鼓動 変わらない夜と昼のページ無限の海原 重なりあうモノ 響きあうトキ 傷つけあうムネ 確かめあうユビ 見つめあうカゲ優しいイミ
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