詩人:トケルネコ | [投票][得票][編集] |
だいだい色の悦び キズモノであること
不安は口にした途端 神経質に寝そべるキティ
アッティラの指先が僕を名指しした
雲を道連れに駅に佇む影たち
今日、白いボタンを買ってみた
アパルトヘイトについて学んでみた
今宵、かぐわしいリンスを捨ててみた
敵を愛することを学び忘れた
だいだい色の苛立ち キワモノのポスターの彼女
太陽を口にした途端、目の前がクラッシュした
そよ風と大通りを必死に駆け抜けた
メソポタミアの乾いた暑苦しさが歴史書に染みてる
何だか白いボタンをはめてみた
アパルトヘイトなんざ興味なかったのさ
何度も黒いボタンを引きちぎった
誰かを愛することを学ぶために産まれたってよ
太陽を吐き出した途端、お月さんが胸に落ちた
そのシラケタ輪郭をなぞってみた
愛と憎しみってやつを救いたかったんだろう?
白い生焼けのパンを踏み潰した
黒い丸焦げの自転車が今も放置されてる
ジコを愛することを学び忘れた
カゲを憎むことを参考書にして
追い風と坂道で無邪気に転げ回った
いつもの選挙カーが明るい未来を縫い付けてくる
太陽は無事に今日も落ちた
曲がり角にだいだい色を落とした
真っすぐな電柱の影を健やかに溶かしちまった
スミ色に溶かしちまった