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トケルネコの部屋


[52] パラドクスムーン
詩人:トケルネコ [投票][編集]

そのまるで月のように欠けた言葉
エッセンスは死と触手 緑のクラゲの歌う夜
魔法にかかった眸に刺さる
大人のいない部屋で子供は秘密に明け暮れて・・・


ただ美しいモノ
漂う価値しかないモノ
荒らされた部屋に残されたモノ
私がわたしじゃないといられないマガイモノ


いつかは海に還る
赤子がベッドで冷たく告げる
『死神なんてただの切手』


私が望むものはあなたの傷ついたモノ
この喉に突き刺さる白いモノ
水死体を膨ますモノ
新月のケダモノ


誰もいない部屋で塞ぎ込む
夢を捜す家政婦が迷い込む
母を埋めた白壁に屈み込む
顔が映らない鏡を覗き込む


すべてはあなたのあなたのためにわたしはわたしにのぞむこと.

すべてがうみのそこのぶんれつしたつきのようにはんしゃする.

すべてのいかりにくしみくろいよろこびきおくのそこのまさご.

すべてとひとつのなみにふゆうするくらげのようにながれつく.


迷わないで、
迷わないで、

また逢える、
まだ逢える、

つもりでいる?


あなたはあなたを欲してるだけ
あなたを変えれるコトバは無い
あなたが辿り着けるイバショはどこにも無い


ここにもどこにもいつまでも無いのさ…



2010/09/13 (Mon)

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