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トケルネコの部屋


[67] 一番星の模様
詩人:トケルネコ [投票][編集]

昨日の空に 飛び立つものは
谺響かせ 虚空のしじまへ
世界の涯へと 今、物語が旋回りだす

深緑の水面に映る影は 太陽の襞のモノクロームな光子たち
右から貫く蒼空と 左に逆巻く雷雲に
閃く時代の振り子の中で
限りない 翼の意志広げる

飽くなき問いへ 答えも求めず
ゼロの形に その身を削り


気裂の空に はばたくものは
朝陽まといて 焔の中へ
渦巻くオロチ 今、その口腔が閉じようと

群青の穹に映る影は 太陽の襞のモノクロームな光子たち
上から覆う鋼の十字架 下からの懐かしい風受けて
煌めく時代の瞬きの中で
飾らない 翼の夢広げる

飽くなき問いへ 答えも知らず
ゼロの形に その身を削り


そこからは見えますか?
暮れゆく瞳に映る星影 夜の襞のモノクロームな光子たち
コワレかけた翼バンクし 風防の奥の揺れる手
微睡む時代に弾丸を放ち
包みゆく 深き闇切り裂いて

飽くなき問いへ 答えは無くとも
ゼロの形に その身を燃やせと


明日の空に 飛び立つものは

谺響かせ 虚空のしじまへ

ゼロの想いを その身に刻み


一番星の その先へ

2009/11/30 (Mon)

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