詩人:トケルネコ | [投票][得票][編集] |
俺のブーツの先っぽは上を向いている
俺はそれを下向いて眺めてる
見るたびにモヤモヤする
触るたびにイライラする
どうしようもない違和感
これは違う、という感覚
こいつじゃなかった
この色じゃなかった
俺が欲しかったのは
別の色違いだった!
ニ択だ
三択だ
人生は選択だ
いつだってそうさ
靴買う時も
詩を書く時も
告白するか、しないかも
いつだってこれだ
そしていつだって
綺麗に、完璧に
間違うんだ・・・
安かったから
間違ってもいいかなって
もう悩むの面倒臭いなって
気軽に買えば案の定
毎日見るたび嫌悪感
靴というより、また失敗した自分自身に、嫌悪感
安かったから
買い直してもいいけど
結局合わせりゃ高くつく
二万だ
三万だ
来月は節約だ
まァたやり直すのかって
諭吉がヒラヒラ笑う
大したことでもないのに
大したことのように振る舞うから
事実大したことの前では身動きが取れず
靴が 履けない
二択だ
千択だ
人生は電卓だ
賢く電卓打って選択した結果がここにある
俺のブーツの先っぽは上を向いている
俺はそれを下向いて眺めてる
ずっとずっと
裸足のままで