詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
多色使いの金髪パンダの影は実は真っ黒で
黒装束は虹色の夢を見た
金髪パンダ
バレバレの空元気で
悲しそうな背中を見るような夢をみては
目の下まで伸びた前髪を
掻き乱すのです
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
適当で口ばかりの僕は
世界一格好悪くて
ストゥールに座る僕のコンバースは地面にべったりくっついていて
君のプーマのサッカーシューズは宙ぶらりんで
君が預けた煙草のフィルターは少し湿っていて
ライブハウスの地べたに座る君
横に座れと僕に指示して
君とのあいだはこぶし一個分で
言えない言葉
心の中で何度も君に語りかけて
僕はまた飲み物をこぼして
いつものようにJRがみつからなくて
別れ際なかなか離れられなくて
僕は世界一格好悪くて
僕は自分が大嫌いで
かっこよくなりたくて
僕は君を
そっと見つめてるんだ
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
とけるオレンジ
景色が歪んでる
遠退く意識
君がいない
探しに行かなきゃ
とけたオレンジ
曲がった道が迷路みたい
君がいない
嫌な予感
探しに行かなきゃ
真っすぐ歩けない
壁にへばり付く僕
生暖かくて
叫びたくなって
とけたオレンジ
君がいない
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
加速する
三倍速
すれ違う男は
覚えのある男
見たことのある
景色ばかり
見たことのある
出来事ばかり
カーブするクルマ
速いクルマ
光りの残像
忙しい時計
はやすぎる
三倍速の夜に
はやすぎる終わりが
近づいて来ている
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
やる気をさえぎる雲
気のめいる
淡いブルーの朝の駅
いやに静かな午前6時に
みずたまりにできた旋律が響きあって
電車が徐々に近付いてくる
わざと煙草をのんびり吸って
煙ごしに電車のしっぽを見送って
勝ち取ったちっぽけな朝の時間
人気のないファーストフード店で
マフィンを頬張りながら小さな幸せを感じれば
それだけで今日は
僕の思い通りになるきがする
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
眠れない永遠の夜が明けて
セミがないている
八月が終わってしまうよと
セミがないている
日が低くなって差し込む木漏れ日は
僕の部屋をよそよそしく感じさせて
よそよそしく感じるセミのなきごえは
夏と共に
みんなみんなどこか遠くに連れていってしまう気がして
清んだ静かな最後の夏の朝に
なくのをやめたセミがどこか
遠い所へとんでいった
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
瓶底眼鏡を逆さまにかけて
上下左右もわからないのに
世界の終わりを見たような口をたたいて
どす黒い積木で無造作に積み上げたその感情で
だらしない足どりで出向いたその汚らしい川に
口うるさい奴らが投げ付けたクソを一切捨てて
ノイズだらけのややこしい雑音
また一つ悪趣味な積木を重ね
赤と青の涙腺を束ねてペンチで切り離す
すべて投げ捨てられる
吸い込まれていく
投げ付けた原石が
漆黒に消えていくように
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
傷ついたレコードみたいに永遠のデジャブーが続く毎日にめまいがするんだ
たばこの吸い殻が山のようになって
いったいいつ一本目のたばこに火をつけたんだっけ
期限がせまってるんだ
また朝になってる
でももうイッパツやらなきゃ気が済まない
やる気のないくたびれた管を無理矢理に締め付けて
そうだよ傷をつけたのは確かに僕だけど
もうどうしよもないんだ誰か僕の電源を抜いてくれよ
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
信用出来ないこのマシン
信用出来ない通り過ぎる景色も
内側に向いてついている目玉
深く狭い頭の中を見ているはず
なにもかも定かではないけれど
たしかに思考が存在する事だけは確かだ
湿っぽい黒は
限りなく深い漆黒の霧
目まぐるしく眼前に浮かび上がって
消えて行くそれらは
重要な事柄のようで
無意味な事柄のようでもあり
掠れてあるいは半透明ですが
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
朝閉ざされた薄暗い家のドアを開けると
朝日は輝いて道を照らしている
遠くから風に乗ってやってくるメロディーと
鼓動が分離して生まれるビートで
死にかけていた神経細胞が
いつのまにかリズム刻みだしている
背後にはエンドロールが迫って来てるけど
終わりが始まりを示唆している
徐々に重なり合う個々の呼吸
徐々に高なり弾みだすエンディングテーマで
いつのまにか僕はまた駆け出そうとしている