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メロンソーダの部屋  〜 投稿順表示 〜


[62] 金髪パンダ
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多色使いの金髪パンダの影は実は真っ黒で

黒装束は虹色の夢を見た

金髪パンダ
バレバレの空元気で

悲しそうな背中を見るような夢をみては

目の下まで伸びた前髪を

掻き乱すのです

2006/02/03 (Fri)

[63] 世界一格好悪い僕
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適当で口ばかりの僕は
世界一格好悪くて

ストゥールに座る僕のコンバースは地面にべったりくっついていて

君のプーマのサッカーシューズは宙ぶらりんで

君が預けた煙草のフィルターは少し湿っていて

ライブハウスの地べたに座る君
横に座れと僕に指示して

君とのあいだはこぶし一個分で

言えない言葉
心の中で何度も君に語りかけて

僕はまた飲み物をこぼして

いつものようにJRがみつからなくて

別れ際なかなか離れられなくて

僕は世界一格好悪くて

僕は自分が大嫌いで

かっこよくなりたくて


僕は君を
そっと見つめてるんだ

2006/02/10 (Fri)

[65] とけるオレンジ
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とけるオレンジ

景色が歪んでる

遠退く意識

君がいない


探しに行かなきゃ

とけたオレンジ

曲がった道が迷路みたい


君がいない

嫌な予感

探しに行かなきゃ


真っすぐ歩けない


壁にへばり付く僕

生暖かくて

叫びたくなって




とけたオレンジ

君がいない

2006/04/13 (Thu)

[67] 三倍速
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加速する

三倍速

すれ違う男は

覚えのある男


見たことのある

景色ばかり

見たことのある

出来事ばかり

カーブするクルマ

速いクルマ

光りの残像

忙しい時計


はやすぎる

三倍速の夜に

はやすぎる終わりが

近づいて来ている

2006/05/27 (Sat)

[68] 朝のマフィン
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やる気をさえぎる雲

気のめいる
淡いブルーの朝の駅

いやに静かな午前6時に

みずたまりにできた旋律が響きあって

電車が徐々に近付いてくる

わざと煙草をのんびり吸って

煙ごしに電車のしっぽを見送って

勝ち取ったちっぽけな朝の時間

人気のないファーストフード店で

マフィンを頬張りながら小さな幸せを感じれば

それだけで今日は

僕の思い通りになるきがする

2006/06/13 (Tue)

[69] 飛んで行ったセミは
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眠れない永遠の夜が明けて
セミがないている

八月が終わってしまうよと
セミがないている


日が低くなって差し込む木漏れ日は

僕の部屋をよそよそしく感じさせて

よそよそしく感じるセミのなきごえは

夏と共に
みんなみんなどこか遠くに連れていってしまう気がして



清んだ静かな最後の夏の朝に

なくのをやめたセミがどこか

遠い所へとんでいった




 

2010/04/18 (Sun)

[71] 一人芝居
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瓶底眼鏡を逆さまにかけて
上下左右もわからないのに
世界の終わりを見たような口をたたいて

どす黒い積木で無造作に積み上げたその感情で
だらしない足どりで出向いたその汚らしい川に
口うるさい奴らが投げ付けたクソを一切捨てて

ノイズだらけのややこしい雑音
また一つ悪趣味な積木を重ね
赤と青の涙腺を束ねてペンチで切り離す


すべて投げ捨てられる


吸い込まれていく
投げ付けた原石が
漆黒に消えていくように






 

2010/04/18 (Sun)

[72] デジャブー
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傷ついたレコードみたいに永遠のデジャブーが続く毎日にめまいがするんだ

たばこの吸い殻が山のようになって
いったいいつ一本目のたばこに火をつけたんだっけ

期限がせまってるんだ
また朝になってる
でももうイッパツやらなきゃ気が済まない
やる気のないくたびれた管を無理矢理に締め付けて

そうだよ傷をつけたのは確かに僕だけど
もうどうしよもないんだ誰か僕の電源を抜いてくれよ
 

2008/01/03 (Thu)

[73] ふたしか
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信用出来ないこのマシン
信用出来ない通り過ぎる景色も

内側に向いてついている目玉
深く狭い頭の中を見ているはず

なにもかも定かではないけれど
たしかに思考が存在する事だけは確かだ



湿っぽい黒は
限りなく深い漆黒の霧

目まぐるしく眼前に浮かび上がって
消えて行くそれらは

重要な事柄のようで
無意味な事柄のようでもあり



掠れてあるいは半透明ですが

2010/04/16 (Fri)

[75] エンドロール
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朝閉ざされた薄暗い家のドアを開けると
朝日は輝いて道を照らしている

遠くから風に乗ってやってくるメロディーと
鼓動が分離して生まれるビートで

死にかけていた神経細胞が
いつのまにかリズム刻みだしている

背後にはエンドロールが迫って来てるけど

終わりが始まりを示唆している

徐々に重なり合う個々の呼吸
徐々に高なり弾みだすエンディングテーマで

いつのまにか僕はまた駆け出そうとしている

2010/05/01 (Sat)
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