詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
ぽっかり穴が空いてる
ほったらかした
虫歯と同じように
見て見ぬふりをしても
見てない所で進行してる
着実に蝕まれている
気が遠くなるほど
顎がいたい
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
唾液で濡れたチョコレートクッキー
部屋いっぱいに甘い匂い
早く白い指ですくい取って
ねっとり奥歯に纏わりついてる
滴る涎
ぬらぬら光る指
口の中が
真っ黒にとけだしている
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
昨日の自分に憑依していた昨日の自分が演じたかった自分は
今日の自分に憑依している今日の自分が演じたい自分とは違うのだが
そもそも以前から自分は
他人からみて自分の演じたい自分になれているのかも
果ては自分でさえ元の自分はどのようなものだったかも
今ではもう到底見当がつかない
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
朝閉ざされた薄暗い家のドアを開けると
朝日は輝いて道を照らしている
遠くから風に乗ってやってくるメロディーと
鼓動が分離して生まれるビートで
死にかけていた神経細胞が
いつのまにかリズム刻みだしている
背後にはエンドロールが迫って来てるけど
終わりが始まりを示唆している
徐々に重なり合う個々の呼吸
徐々に高なり弾みだすエンディングテーマで
いつのまにか僕はまた駆け出そうとしている
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
信用出来ないこのマシン
信用出来ない通り過ぎる景色も
内側に向いてついている目玉
深く狭い頭の中を見ているはず
なにもかも定かではないけれど
たしかに思考が存在する事だけは確かだ
湿っぽい黒は
限りなく深い漆黒の霧
目まぐるしく眼前に浮かび上がって
消えて行くそれらは
重要な事柄のようで
無意味な事柄のようでもあり
掠れてあるいは半透明ですが
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
傷ついたレコードみたいに永遠のデジャブーが続く毎日にめまいがするんだ
たばこの吸い殻が山のようになって
いったいいつ一本目のたばこに火をつけたんだっけ
期限がせまってるんだ
また朝になってる
でももうイッパツやらなきゃ気が済まない
やる気のないくたびれた管を無理矢理に締め付けて
そうだよ傷をつけたのは確かに僕だけど
もうどうしよもないんだ誰か僕の電源を抜いてくれよ
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
瓶底眼鏡を逆さまにかけて
上下左右もわからないのに
世界の終わりを見たような口をたたいて
どす黒い積木で無造作に積み上げたその感情で
だらしない足どりで出向いたその汚らしい川に
口うるさい奴らが投げ付けたクソを一切捨てて
ノイズだらけのややこしい雑音
また一つ悪趣味な積木を重ね
赤と青の涙腺を束ねてペンチで切り離す
すべて投げ捨てられる
吸い込まれていく
投げ付けた原石が
漆黒に消えていくように
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
眠れない永遠の夜が明けて
セミがないている
八月が終わってしまうよと
セミがないている
日が低くなって差し込む木漏れ日は
僕の部屋をよそよそしく感じさせて
よそよそしく感じるセミのなきごえは
夏と共に
みんなみんなどこか遠くに連れていってしまう気がして
清んだ静かな最後の夏の朝に
なくのをやめたセミがどこか
遠い所へとんでいった
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
やる気をさえぎる雲
気のめいる
淡いブルーの朝の駅
いやに静かな午前6時に
みずたまりにできた旋律が響きあって
電車が徐々に近付いてくる
わざと煙草をのんびり吸って
煙ごしに電車のしっぽを見送って
勝ち取ったちっぽけな朝の時間
人気のないファーストフード店で
マフィンを頬張りながら小さな幸せを感じれば
それだけで今日は
僕の思い通りになるきがする
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
加速する
三倍速
すれ違う男は
覚えのある男
見たことのある
景色ばかり
見たことのある
出来事ばかり
カーブするクルマ
速いクルマ
光りの残像
忙しい時計
はやすぎる
三倍速の夜に
はやすぎる終わりが
近づいて来ている