詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
とけるオレンジ
景色が歪んでる
遠退く意識
君がいない
探しに行かなきゃ
とけたオレンジ
曲がった道が迷路みたい
君がいない
嫌な予感
探しに行かなきゃ
真っすぐ歩けない
壁にへばり付く僕
生暖かくて
叫びたくなって
とけたオレンジ
君がいない
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
適当で口ばかりの僕は
世界一格好悪くて
ストゥールに座る僕のコンバースは地面にべったりくっついていて
君のプーマのサッカーシューズは宙ぶらりんで
君が預けた煙草のフィルターは少し湿っていて
ライブハウスの地べたに座る君
横に座れと僕に指示して
君とのあいだはこぶし一個分で
言えない言葉
心の中で何度も君に語りかけて
僕はまた飲み物をこぼして
いつものようにJRがみつからなくて
別れ際なかなか離れられなくて
僕は世界一格好悪くて
僕は自分が大嫌いで
かっこよくなりたくて
僕は君を
そっと見つめてるんだ
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
多色使いの金髪パンダの影は実は真っ黒で
黒装束は虹色の夢を見た
金髪パンダ
バレバレの空元気で
悲しそうな背中を見るような夢をみては
目の下まで伸びた前髪を
掻き乱すのです
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
別れ際
いつも淋しくて
呼び止めてしまうね
ねえ、と言いかけて
口に出すのをやめた気持ちを
込めた頭突き
思いきりぶつけたんだ
かすれた僕の頭突き
散る星にお前は何が見えた
眠れない下り列車は真っ暗でどこをはしる
眠れない下り列車は
こんなにも長かったのかと思う
こんなに胸
くるしいのはひさしぶりだ
勝手に震え出す手は
完全におびえてる
窓に移る自分の姿に
自信同情かけてやる
やけに喉が渇く
がむしゃらに指を動かす
電源の切れた携帯
微かに感触の残る胸部
お前の頭突きには
一体何が込められていた
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
楽しい生活を削り落としてまで
暗示をかけられた僕の病気の
薬を処方してくれる人なんて
いるわけがないだろう?
生きることに嘆くほど
僕は一人と確信するばかりさ
吐き出すものも吐き出せず
流すものも流せないまま
間違った薬で無理に笑って
浮腫きった僕の姿
助けを求める甘えた目をしても
誰も目を合わせるわけがないだろう?
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
空想で作り上げた男が
不敵な笑みを浮かべてる
僕はそっと下を向く
僕のピンクのパレットに
奴が黒を一滴垂らす
僕の日記の大事な一部が
赤でこっそり書き換えられてる
奴が僕に真実をのべる
僕はずっと耳を塞いでる
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
はげしい雨音と
いつもよりタールの強い煙草
煙が僕の
記憶ごと連れ去ってしまえばいいのに
雨音が遠ざかる
視界が少し白く煙る
今夜は少し疲れているから
お前に電話をかけたかったのに
あしばやに去って行く君
煙草を挟んだ僕の左手は
ただただやに臭くなってゆくだけ
僕のはいた煙は
どこへともなく
拡散して消えて行った
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
どんなに携帯を肌身離さず持っていたって
どうせかかってくるのは生気のない声の派遣会社の電話なんだろ
一人ぼっちの僕を見てる
机の上に散らばってる僕のミスが
僕の姿を嘲笑う
久しぶりの酒の席
やけになって酔って
吸わないと断言した
煙草をなれない手つきで吸う
無茶に言葉にした僕の心を見て
グラスごしの周りの頭がしみじみと縦に揺れてるんだ
直線だけで描かれたような顔とは裏腹に
いくら見てもわからない
あの娘の顔の
行動の答えを
僕はまだ見ることができないままで
今僕が見ている色は
いったい何色なんだろうか
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
風が僕を避けていく
どこか淋しい朧月夜で
歌う鼻歌はマイナーコード
小さな自転車を
漕ぐ力は
大きながたいと
つりあわない
ずっーと前の昨日の僕も
今の僕とかわらなかっただろうか
足の踏み場もない
荒れた部屋の引き出しの中で
今の僕と温度の違う
僕が笑顔でわらっている
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
現実には愛し合うことも出来ないくせに
アルコールでばかになった理性でいちゃつく二人
強引に君の手を引けば
君は僕に心から身をまかせてくれるだろうか
出来るだけ頭を近づける
出来るだけ胸を近づける
君のにおいがする
君の吐息を感じる
だけど君の顔が見えない
君ははにかんでるのだろうか
どんな顔してるのか見せてくれ