詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
ぐしゃぐしゃのパンツの裾引きずり
くまのできた目を最大限に剥きだして
通りすがるサラリーマンにわめき散らすヘッドホン
やせ我慢を詰め込んだバック
食い込んだ肩に少し血がにじみだす
僕の好きな猫が車にひかれて死んでいたんだ
見たくもない姿で
雨がふってる
僕の嫌いな
何もかもぐしょぬれ
何もかも
しめりきった空間
雨音で何も聞こえない
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いつもすぐ眠くなる君は
僕の目の前でうたたねをする
僕は大好きな君のつむじを
そっと眺めている
根元の黒くなってきている君のつむじ
僕の手よりも一二まわりも小さな君の黄色い手
たまに君のいい匂いが
僕の鼻をかすめていく
君がいつ顔をあげるか
ドキドキしながら
僕は君のディテールをおう
僕はそっと君の手に
僕の手を重ね合わせる
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きっと今死に物狂いで頑張ってることなんて
ほんとはどうでもいいことなんだろう
僕はスピーディーなモードにしがみついて
難しそうな顔して腕を組んでる
だけど
必死こいて得た達成感よりもずっと
君のわがままにふりまわされた毎日の気持ちのほうが大切に思うのは
なぜなんだろう
きっと僕が求めているものは
一生懸命頑張って得られるものでもないのだろうけど
それでも僕は
きっとまた窮屈なデスクに戻り
責任とかプライドを片付けにいかなければ
たまの休暇に
君にきっと会いに行くから
だからその時は
思い切り僕を愛してね
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電車の窓の外の
立ち並ぶアパートのどれかに
きみの姿を見いだしながら
小さくなってゆくアパートに
少し落ち込んでみたり
僕は見慣れた地元に帰ってきては
君と歩いた道に
君のざんぞうを見てる
それはまるで昨日の事のように
もうこの道を
東京へ行ってしまった君と歩くこともないのかな
今日も一人僕は君の幻とこの道を歩く
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なぁ
二晩連続で
君のでてくる
夢を見たんだ
なぁ
そんな朝が来ると僕は
独りぼっちの赤ん坊みたいに不安で
真っ暗な部屋すら恐くて
無理矢理に目を閉じたんだ
なあ君は
俺の夢を見ることがあるかい
君に電話したら
俺たちは心底楽しく会話できるかい
なぁ
君のダマダマのマスカラの奥の
カラコンの奥の
瞳の奥の
お前の気持ちを掴めたら
俺はソレを絶対離さない
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おそろいの
キーホルダー
湿った手で握り締めて
お前の声を
お前の本音を
耳をすまして聞き取ろうとする
お前が僕の
筆箱に何気なく付けてくれていた
ちっちゃいキーホルダーは
お前のポッケからも顔をのぞかせていた
僕は
淋しくなるとこのキーホルダーを
握り締めて目をつぶるんだ
そうするとお前が
すぐ近くにいるって
そう感じられるんだ
お前もこのキーホルダーを見て
俺を思っていてほしいな
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雪の降った打ち上げの帰り
いつもよく見てた
お前の後ろ姿が
いつもより遠くを歩いているようで
一粒の雪に目を寄せて
雪をとらえようとするお前は
いつもよりもっと
百倍は愛しく思えて
僕はみんなと一緒に
平然と歩いていることが精一杯で
僕は手のなかで
溶けない思いをもてあそんでいた
別れ際
お前は何気なく笑顔で手を振っている
ホントはここで
俺はお前に呼び止めてほしかった
真っ白な雪は
つかまえてもつかまえても
手のひらを覗き込めば
そこにはもう涙しか残っていなかった
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服はクシャクシャ
髪はぐしゃぐしゃ
ハートがふやけた
眠れる俺の泣きボクロ
アコースティック
同じ曲ばかり
それは一年前覚えた
すっぱい恋の歌
広がる乾いた大地
無感情な風景は
俺の黒目に
よく似ていた
そんな俺に
あいつはたらしていく
魔法の清水
一滴だけ
悲しい本より
流行の映画より
俺のドライアイには
それがよく効く
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つけっぱなしの電気のなか
メタリックなゴツいヘッドホンがずりおちた
俺は半ばまだ夢のなかの謎解きをしながら
やっとの思いで電気を消して
深夜の鼓膜の押しつぶされそうな沈黙の中
目を閉じた
手を伸ばした夢のなかの君
君は僕の手を取って
僕はまた吸い込まれてく
むかうはあっちの商店街
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家路
口あけて
後ろに倒れちまうくらいに
空見上げた
オリオン座が
くっきり見えた
小学生の時にもみたやつだった
百八十度の空を
ひとりじめして
まぁるい地球を感じた
だから俺は
そのまま小学生みたいに
家に帰えることにした
口あけて
上むいて
星を線でつなぎながら